『スター・ウォーズのテーマ』シングル盤 『スター・ウォーズのテーマ/酒場のバンド』
ミーコ
"Star Wars Theme/Cantina Band"
Meco
Debut 1977.8 / Peak Position 1
 桜並木のなだらかな坂をのんびり登校した高校時代... FMラジオに没頭したり、近所のレコード屋さんに入り浸ったり、はたまた所属した放送部の部室で授業をサボってレコードを聴いていたり... そんな自由な時代が70年代のポップソングとリンクしている...。

 ディスコ・ブームが巻きおこった70年代のヒットチャートはもの凄いことになっていた。スティービー・ワンダーやダイアナ・ロス、スピナーズ等のような正統派のソウル・シンガーやソウル・コーラス、ジョージ・クリントン(パーリャメント)に代表されるファンク系やKC&サンシャイン・バンドに代表されるとにかく楽しく踊れるディスコグループなどなど。そんな状況の中でアイデア賞(というほど凄いものではないが)的なディスコ・ナンバーがいくつかチャートを賑わしたのも厳然たる事実である。さてそこで『スターウォーズのテーマ/酒場のバンド』。1977年に公開された映画「スターウォーズ」はまたたく間に世界を席巻、熱心なマニアを生み出した。ジョン・ウィリアムスの手になるテーマ曲「メインタイトル」自体が全米10位のヒットを記録している。そしてやはり映画を見てハマってしまったのがアレンジャーのミーコ・モナルド。“こりゃ、いけるで!”ということでその能力をフル活用し「メインタイトル」をそのままディスコサウンドにアレンジしてしまった。さらに映画では異星人達が集う酒場のシーンで専属バンドが演奏していた楽曲をうまく織り込み“一粒で二度おいしい”非常に魅力的な作品に仕上げている。単に踊れるだけでなくそのアレンジの妙ゆえにポップミュージックとして十分鑑賞に耐えるこの作品がナンバー1に輝いたのは当然の結果だったと言えよう。尚、多くの人が“ミーコは一発屋で終わるだろう”と予測したが、引き続き「未知との遭遇」や「スターウォーズ帝国の逆襲」など映画からネタをパクる同じ路線でヒットを継続、主にチャート愛好家達に親しまれたことを最後に付け加えておく。

 この曲がナンバー1を獲得したの1977年10月は私が高校2年生の頃。この曲を聴くと何故か球技大会で軟式テニスをやったことを思い出す。どういう訳か完璧なタイミングで振ったラケットに当たらないボール... そんな苦手なテニスを今は中学生の娘と一緒に楽しんだりしている。不思議な話である。
メニューおよびバックナンバーリストを表示する