Early 1977 Continue ...
They Put Words And Melody... "Fly Your Love"
『君の愛を飛ばそう』の歌詞が記された伝説的な原本洛東UNDERGROUND結成後、恐らく1〜2週間以内のある日、山口はファンシー風のノートの1ページを破り取り、やおら歌詞を書き始めた。高校の何かの授業中の出来事。その歌詞は“You said to me then, its word is love”という一節から始まる... この瞬間、RUG伝説の第一章が幕を開けたのである。出来上がった歌詞は前に座っていた橋本の手に委ねられる。その日家に帰った橋本は歌詞を頭に叩き込み風呂に入る。かくして未だ多くのファンに愛される不滅の名曲“Fly Your Love”「君の愛を飛ばそう」が誕生したのだった。

当時を振り返った山口は語る。「とりあえず歌詞を書こうと思った。最初から歌詞は英語で書こうと決めていた。でも大した英語力がないことを認識していなかった(今でも大きくは進歩していないけど..)。結局知っている単語を無理矢理並べて出来たのがこの曲だった」...

一方橋本は語る。「RUGの曲の多くは風呂で生まれた。どういう訳か風呂に入るといいメロディが浮かんでくる。後はそのメロディが逃げないように(ほとんどのぼせた状態になりながらも..)風呂の中で繰り返し歌い、風呂から上がったらすぐにカセットテープに吹き込む。ここまで来ればしめたもので、後はゆっくりコードを付けたり、歌詞に合うように調整したりするだけ。実際のところ“良い曲”かどうかはあまり意識したことはない。だいたい“良い曲”だと思いこんでいたし、他のメンバーが聴いて“良い!”と言えばそれでOKだったのだ」...

それからさらに1〜2週間の後に「君の愛を飛ばそう」はメンバー達にお披露目され、彼らの、そして多くのファン達の愛唱歌のひとつとなった。ちなみにこのエピソードはもうひとつ重要な事実を含んでいる。それは“作詞または作曲というのはさほど難しいことではない”という誤った認識を山口、橋本双方にもたらしたことである。だがその結果多くの名曲が生み出されたのも事実である。さらに二人の影響を受けた森岡がさらなる名曲を生み出すきっかけにもなったのである。

追記:
ここに掲載した画像はまさにあの日、高校の教室で書かれた歌詞の原本を撮影したものである。尚、裏面には“99%-Love”「99%の恋」という歌詞が書かれておりコードが振られている。だが未発表に終わった上に、橋本によると「どんな曲か忘れてしもた」そうである...。

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