2009 | |
“Upsouth Mountain Mouse Blues Band” 『アップサウス・マウンテンマウス・ブルース・バンド』 |
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![]() M.Morioka ... Vocals, Acoustic Guitar, Harp, Kazoo T.Yamaguti ... Vocals, Keyboard, Rhythm Programming < Very Special Thanks To > M.Johnan ... Bass (All Songs !) < Special Thanks To > H.Okui ... Vocals and Sleeve Design Y.Goto ... Clarinet, Vocals and Liner Notes 前作で極上のポップワールドを展開してみせたRUG。だがへそ曲がりの彼らが再び同じ路線を歩む訳がない。これは“架空のブルース・バンドが作成したブルース・アルバム”という体裁をとった作品集である。 毎回何曲かでゲスト参加している盟友のベーシスト上南雅博の全面参加を得て作成されたこの作品集は、曲名に“ブルース”という単語を含むものが全15曲中11曲。折から世界を揺るがした世界同時不況に伴うロクでもない状況も相まってハードなブルースが満載されている。 ※If you want to enjoy words and music, click album cover or here ! It's So Hard To Sing Old Blues (昔のブルースを歌うのは大変) Words and Music By T.Yamaguti Go This Way And That (Part 1) (右往左往 - パート1) Words and Music By A.Hashimoto Missiles' Falling Down Blues (空からミサイルが降ってくるブルース) Words and Music By T.Yamaguti Don't Drink Overnight... Blues (夜通し飲むな…のブルース) Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto The Pain Blues (痛いブルース) Words and Music By M.Morioka Water Route Cherry Blossom Blues (水路に咲き誇る桜のブルース) Words and Music By T.Yamaguti I Want Hard Blues (キツいブルースを一発) Words and Music By A.Hashimoto Go This Way And That (Part 2) (右往左往 - パート2) Words and Music By A.Hashimoto Good-For-Nothing Blues Medley I (ロクでもないブルース・メドレーT) All Songs : Words and Music By T.Yamaguti Too Much Lighted Blues (やたらと明るいブルース) Words and Music By A.Hashimoto Look Up To The Sky His Smile Flows (面影の空に) Words By Y.Goto and T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto Dragging On And Neverending Blues (だらだらと終わらないブルース) Words and Music By T.Yamaguti Good-For-Nothing Blues Medley II (ロクでもないブルース・メドレーU) All Songs : Words and Music By T.Yamaguti Upsouth And Mountain Mouse Blues (アップサウスと山ねずみのブルース) Words and Music By T.Yamaguti Workers Around The World (世界を巡るワーカーズ) Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto ノスタルジックな曲調に森岡の包容力溢れるボーカルが映える「昔のブルースを歌うのは大変」で始まるこの作品集、ここで油断するとえらい目に遭う。大企業すらも厳しい状況を激しいサウンドに乗せて歌う「右往左往(パート1)」、演奏は典型的なブルース・ナンバーだが著名人が実名で登場する「空からミサイルが降ってくるブルース」、もはやブルースというよりヘヴィメタルの気配すら漂う実話ソング「夜通し飲むな…のブルース」と、いずれもRUGというバンドが久しく隠していたロックに対する思いのようなものが感じられる作品ばかりである。しかしカントリーの雰囲気が漂う森岡作品「痛いブルース」、ブルースの名曲に大きな影響を受けて橋本が書き上げた「キツいブルースを一発」、一転して粘着質のサザン・ソウルなボーカルと演奏が魅力的な「右往左往(パート2)」、いろいろなブルース作品を無理矢理1曲に押し込んでしまった「ロクでもないブルース・メドレーT」「ロクでもないブルース・メドレーU」、後藤雄二の小説を再び題材にとりあげ凝った演奏を聴かせるバラード「面影の空に」と、ブルースという枠にはまりながらも豊かなバリエーションを楽しむことができる。終盤はその内容とは裏腹なタイトルと曲調を持つ「やたらと明るいブルース」、そして本作のハイライト・ソング、上南をはじめ各演奏者がそれぞれの楽器で楽しげにソロもとるライブ感満点の「アップサウスと山ねずみのブルース」、そしてフィナーレは後藤雄二がクラリネットでゲスト参加している渋いR&Bバラード「世界を巡るワーカーズ」で幕を閉じる。途中挿入されるジャム・セッション風の2曲の小品も含め、RUGというバンドが持つハードな一面が刻印された貴重な記録として記憶に残る作品集である。 |
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