RUG Official Site Special Program ... My Travel Of Music - Akiyoshi Hashimoto 私の音楽遍歴 - 橋本明宣
はじめに はじめに 第一楽章 第二楽章 第三楽章 第四楽章 最終楽章

私が今回のライターを担当する橋本です。よろしゅーに!先日12月13日土曜日に当橋本宅に例によって山口君が現れペチャペチャ喋っておりますと、山口君から唐突に「橋本の音楽遍歴を書かへんか?」といった様な話があり、はたまたこれは一体どういうことかなあ?と思いきや... つまり過去から現在に至るまでどういった形で音楽と向き合ってきたのか? 平たく言うと各RUGメンバー自身の音楽の歴史、みたいなものの紹介コーナーをかの有名な“洛東UNDERGROUND公式サイト”に掲載するとの事で、その手始めに私、橋本が選ばれた、というような事でした。なるほど!!と言う訳でぼつらぼつら書いていこうと思います。最後までお付き合いいただければ幸いです。

第一楽章 - 出会いは爽やか! はじめに 第一楽章 第二楽章 第三楽章 第四楽章 最終楽章

私の今の音楽のきっかけ、というものは、おそらく1975年ぐらいであった、と記憶しております。当時新しく友達になった木村君(通称:なりきち)からの影響でビートルズに出会うことになりました。何と初めて聴いた曲がラジオから流れてきた“Here Comes The Sun”でありました。何と爽やかな曲なんやろ!というのが未だに心に残っている第一印象。で次に“Help !”と、このころにはすでにビートルズ一色と言っていいほどの生活でした。初めてギターでコードを弾いたのも“All My Loving”と記憶しとります。寝ても覚めてもビートルズ、気づくとすっかり自分の音楽観が変わっていました。それほどまでにビートルズ、という存在は今までの音楽とはかけ離れており、冷静に言えば「こんな形の音楽表現もあるのか!」と言うか、いやいやそんな落ち着いたものではなく、とりあえず、曲が素晴らしい、かっこいい、自分も演ってみたい... とこんな様なことが一緒くたになって、もうすでに訳が分からず、とにかくずーっとその音に触れていたい、というのが本当のとこでした。そんなこんなの内にも時は流れていったのであります...。

Keyword For You ...

木村君(通称:なりきち)
木村成吉。洛東UNDERGROUNDとは何かと関わりを持つ人物です。彼に関する詳細は公式サイトの“History”コーナー、“About The Man Called Narikichi...”を参照して下さるようお願いします

ビートルズ
万が一“そんなバンド知らん”という人がいると実に話がややこしくなりますが... とにかく全てが偉大な4人編成のバンド、という風に認識しといて下さい

My Favorite Discs ...
私の推薦盤、ビートルズ「HELP!〜4人はアイドル」 「4人はアイドル」 ビートルズ HELP ! - Beatles (1965)

これは何と言っても初期の爆発的なパワーを維持しつつ、ビートルズが音楽的にもかなり完成されてきた中期から後期へとつながっていくすごい力を秘めたアルバムです
私の推薦盤、ビートルズ「アビー・ロード」 「アビー・ロード」 ビートルズ Abbey Road - Beatles (1969)

ビートルズ後期の私が思う代表作。やはり初めて自分が聴いた「ヒア・カムズ・ザ・サン」が入っている、と言うこともありますが、やっぱ圧巻はレコードで言うB面! 畳みかける様に攻撃してくる宝の山! まさしく静と動の魅力です


第二楽章 - もう一つの出会い はじめに 第一楽章 第二楽章 第三楽章 第四楽章 最終楽章

そんなときめきを感じながら約2年くらい経ったでしょうか(つまり1977年頃。すでに私は洛東UNDERGROUNDのメンバーとして活躍しとりました)、突然二つ目の出会いに遭遇したわけであります。当時よく見ていたテレビ番組に“ポップス・イン・ピクチャー(通称:PIP)”というのがあって、そこに衝撃的な出会いが隠れていた訳です。それは以後私をギターの道に完璧に引きずり込んだ、マイケル・シェンカーという人物との出会いであったわけです。彼はUFOというイギリスのバンドのギタリストで番組では“Too Hot To Handle”“Let It Roll”“Lights Out”と三曲のライブ・ビデオでそのブロンドの髪を乱しステージの奥の方で身体をくの字にまげ、魂を振り絞って弾くその姿、そこから出てくる音、ネックをはいずり回る指... それらに完全に打ちのめされた状態でした。本当にしばらく声も出ない程の金縛り状態で、すっかり訳が分からなくなってしまった程の衝撃でした。それからと言うもの、マイケル・シェンカーのみを追い求める事が始まりました。さてそんな中、実は時を前後して、もう一つの出会いがあった訳です。

Keyword For You ...

ポップス・イン・ピクチャー(通称:PIP)
当時近畿放送(現在のKBS京都)で週一回放映されていた1時間もののローカル番組です。まだMTVなどと言うものが影も形も無かった頃から海外アーチストのビデオクリップを紹介していたという画期的かつ伝説的番組。UFO以外にもレーナード・スキナードの「フリーバード」のライブ映像、マイク・オールドフィールドの約40分に及ぶ「チューブラーベルズ」のクリップなど、毎回もの凄まじいプログラムで楽しませてくれてました

マイケル・シェンカー
すでに紹介したとおり私にとっては神さんです。スコーピオンズのギタリスト、ルドルフ・シェンカーを兄に持つドイツ人ギタリスト。早いフレーズも素晴らしいのですが、ピッキング、ヴィブラート、フィンガリングから出る叙情的なメロディがあるのが彼のギターの偉大なところです。お陰で私もまた彼の愛機フライングVを愛用するようになりました。しかしながら決してテクニカルではないUFOというイギリスのバンドに何故彼が参加したか?については謎が残りますが...

My Favorite Discs ...
私の推薦盤、UFO「現象」 「現象」 UFO Phenomenon - UFO (1974)

マイケル・シェンカーの加入により見事浮上したUFOの最高傑作の一枚。何かに取り憑かれたかの様に弾きまくるマイケルの魂の叫び。今までのロック界を震撼させる驚異の一枚!
私の推薦盤、UFO「新たなる殺意」 「新たなる殺意」 UFO Lights Out - UFO (1977)

UFOがアメリカ市場に切り込んだ傑作。マイケルのギターも洗練され、もはや芸術の域を極め、またストリングスを使用したアレンジにより違った一面も垣間見せ、新たな旋風を巻き起こしたこのアルバムはもはや音楽界の革命に等しい...


第三楽章 - 音楽の友は人生の友! はじめに 第一楽章 第二楽章 第三楽章 第四楽章 最終楽章

悪名高き二人は今や人生の友である。山口(左端)と森岡(中央)...時を少し戻すことにして、1976年。私は相変わらずのらりくらりの生活を続けたまま京都府立洛東高等学校に進学しました。そこである一人の男をどういう訳か知る事になった訳です。学生服の下には多分校則違反であったと思われる赤いシャツがやたら目立ち、しかし決して見かけによらず喋るとかなり普通に話が出来、結構価値観のレベルもOKかな?といった出会いの張本人が、何を隠そう現在の洛東UNDERGROUNDのメンバーの一人である山口 徹本人だったのであります。深く付き合えば付き合うほど、何とも奥の深い人物で、また音楽に対するひたむきな精神力、どんな物でも見かけだけでは判断せず、一度は受け入れて物の善し悪しを冷静に判断する、というとうてい私には真似の出来ない部分が何とも興味をひくところでして、後々の私の音楽に対して大きな影響を与え続けてくれた人物でもあります。そんなこんなの状況の中、山口氏の以前からの友人であるミスター堅田サウンド、森岡氏とも知り合いになり今の洛東UNDERGROUNDがあるわけです。この森岡氏も山口氏に勝るとも劣らずの個性の持ち主で、奥の深さは計り知れないものがあり、その大胆とも思える行動の反面、かなり繊細な気持ちの持ち主でもあり、いやーまあ実に愉快なメンツが集まったものである、とつくづく思う気持ちは今も間違いなく衰えることがないのであります。

Keyword For You ...

山口 徹 & 森岡真理
山口君とはしょっちゅう顔を合わせ、彼の書いた歌詞に曲を付けたりしとります。森岡君とは時たましか会いませんが、突然えらく出来のいい彼の新曲を聴かされ山口君と二人で凹んでしまう、ということがよくあります。そんな調子で二人とも悪名高き洛東UNDERGROUNDの仲間であり良き人生の友です

My Favorite Discs ...
私の推薦盤、洛東UNDERGROUND「ワーカーズTM」 「ワーカーズTM」 洛東UNDERGROUND Workers TM - RAKUTO-UNDERGROUND (2003)

いかしたメンツが集まればこんなに素晴らしい作品が出来ました。それぞれがそれぞれの音楽遍歴を生かし自由奔放な音楽を集結。これこそまさしく音楽界の新風。人間らしさをとことん突き詰めた究極の逸品!


第四楽章 - 遭遇! 宝の山!! はじめに 第一楽章 第二楽章 第三楽章 第四楽章 最終楽章

お宝写真流出? 私、橋本の高校の卒業写真...何とも駆け足とも思える青春時代の様ですが、音楽との出会いはこの時期には本当に数え切れない程多くのものがありました。今までの自分が経験してきたものとはほど遠い状況の中、計り知れない名曲との出会い、そして感動... そのほとんどすべてといっていいほどの影響が、第三楽章で登場した山口氏によるものでした。勿論ビートルズマイケル・シェンカーがやはり相変わらず自分の中でのヒーローであった事は間違いのないところでありましたが、その他のミュージシャンにも恐ろしい程の才能を秘めた奴が大勢おる!と言うことを改めて感じた事もまた事実であります。基本的に自分の好みの音はハードロックではありますが、聴いて感覚的にピタッとくる音は幅広くある、と言う事も認めざるを得ない事実であります。実際大学時代にはフライング・アローと言うバンドでちょっとうるさい音楽をやっており、ライブハウスを荒らし回るなど一番やりたいことを大いに楽しんでおりました。しかし“演る音”とは別に“聴く音”は出来るだけ幅広く聴くよう心がけていました(もっともそれは山口氏が実に積極的に布教活動とも思える行動を私に対しとり続けてくれたお陰である、と正直今も思っております)。そしてその事が今現在の自分の音楽活動の基本を作っている、と言っても過言ではないでしょう。本当に感謝であります。

Keyword For You ...

フライング・アロー
洛東UNDERGROUND解散後、私が結成したハードロック・バンドです。近田(本名は松岡)、中尾、山上、そして紅一点・福沢という5人の個性的なメンバーが揃ってなかなかどうしてご機嫌なバンドでした。私の趣味を反映してUFO(=マイケル・シェンカー)のコピーなんかも演ってましたが「バックストリート・キッズ」(橋本作)「メインストリート・クイーン」(近田作) など優れたオリジナル曲も多数残している伝説的なバンドであります

My Favorite Discs ...
私の推薦盤、ロキシー・ミュージック「ビバ!ロキシー・ミュージック」 「ビバ!ロキシー・ミュージック」 ロキシー・ミュージック Viva! Roxy Music - Roxy Music (1976)

ブライアン・フェリーの魅力が存分に楽しめ、絶対あり得ないサウンド、深いパワーを秘め完全なロキシー・ワールドを見事に創り出した一枚です
私の推薦盤、アル・スチュアート「イヤー・オブ・ザ・キャット」 「イヤー・オブ・ザ・キャット」 アル・スチュアート Year Of The Cat - Al Stewart (1976)

世の中にこんなに美しいサウンドがあったのでしょうか?と言いたくなるほど、味わい深いサウンド、繊細で透明で、しかしどこかもの悲しく、これぞまさしく後世に残るアルバムでしょう


最終楽章 - それぞれの音楽観 はじめに 第一楽章 第二楽章 第三楽章 第四楽章 最終楽章

私の音楽探求の旅が終わることはないでしょう... 今回の担当は橋本でした。最後までおおきにどーも!長々とこれといってポイントの無いような文章を書いてきましたが、では最後に自分の音楽観についてちょっとだけ。音楽とは実に不思議なもので、一音一音の組み合わせ、その並べ方、間隔の取り方、等で独特の世界を創り出し、それには色んな顔があり、それが故に人それぞれによって受け入れ方が違う。時にはその原因はほんのちょっとした事であるかも知れません。でも感覚に響く、響かないがはっきり分かれる。本当に不思議です。基本的に私の場合は音楽である以上そこには必ず印象深いメロディが必要で、歌詞と連動する情景があり、何かしらの意味合いを感じる事が必要条件であります。激しい曲だけがハードロックでは決してない。そのテンポ、ヴォリュームに関わらず実はハードロックである場合も充分あり得る。要はそのミュージシャンの心意気と言うか、魂の声の様に思います。その実際に出てくる音がいいのか、はたまた気にいらないのか、はそれぞれの人の感覚、価値観によるもの。だから音楽はおもしろい、と言うことになるんじゃないでしょうか? 何か今イチうまく文章に出来てませんが、何となくなら私の言わんとする事が分かってもらえますでしょうか? とにかく音楽は、自由を楽しめる、最高に素晴らしく、実に人間らしくわがままの言えるものである、という事です。自分勝手な話にお付き合いいただきましてすみません。てなことで文章を終わります。以上!