What is "The 50th Anniversary Of Birth" ? WHAT IS ? THE BEST OF FLYING V THE BEST OF FLYING V - CONTENTS THE BEST OF KATATA SOUND THE BEST OF KATATA SOUND - CONTENTS

『折れない矢 - ザ・ベスト・オブ・フライングV空想オリジナルサウンドトラック盤、空想ブルースバンドによるブルースアルバム... リスナーをおちょくるかのように毎年ユニークな作品を送り出してくる洛東UNDERGROUND。そして今年、2010年は同級生であるメンバー達にとって生誕50年を迎える年である。またしてもリスナーをおちょくるかのように突然“生誕50年記念CD”がリリースされた。

CDは2枚同時にリリースされた。1枚は『折れない矢 - ザ・ベスト・オブ・フライングV』とクレジットされている。余計な説明は不用な橋本明宣編である。そしてもう1枚は『湖からの不思議な風 - ザ・ベスト・オブ・堅田サウンド』のクレジット。もちろん“堅田サウンド”とくれば森岡真理編である。

いずれも洛東UNDERGROUNDの各作品集からのセレクト+発表デモなどの秘蔵音源で構成されている。前者は従来聴いていただいている音源と何ら変わるところはないが、橋本または森岡という強力な個性を基準にしたセレクトであり従来とはまた違った印象を受けることがあるかもしれない。後者についても単に貴重というだけでなく、やはり二人それぞれの個性が色濃く出ているのがおもしろい。

『湖からの不思議な風 - ザ・ベスト・オブ・堅田サウンド』




いわばコンピレーションには違いない。しかし半世紀を疾走してきた洛東UNDERGROUNDの貴重な記録だということも事実である。以上2枚の番外編『折れない矢 - ザ・ベスト・オブ・フライングV』『湖からの不思議な風 - ザ・ベスト・オブ・堅田サウンド』を大いにお楽しみいただきたいと思う。








※2010.9時点、山口徹編はリリースされていない。同じ同級生であっても山口は早生まれのため生誕50年は2011年にあたるから、というのが公式発表となっている...

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“生誕50年記念CD・橋本明宣編”である『折れない矢 - ザ・ベスト・オブ・フライングV』は洛東UNDERGROUNDとして既に発表された音源14曲に加えて、ソロ名義発表曲1曲、セヴンティーズ名義発表曲1曲、未発表デモ7曲の計23曲を収録している。やはり橋本明宣を語る上においては“優れたソングライティング”と“鮮やかなギタープレイ”を抜かすことは出来ない。洛東UNDERGROUNDとしてデビューした当時、既にそのピュアなソングライティング・センスは高く評価されていたが、洛東UNDERGROUND解散後フライング・アローに参加して以降ギターの方の評価も高騰、当代随一のロック・ギタリストとして高く評価されることになる。そんな橋本明宣だが驚くべきことに2003年に洛東UNDERGROUNDとして復活を果たして以降はさらなる進化を遂げている。ピュアなソングライティングは健在である上に、様々なテクニックが織り込まれ幅の広い音楽性を見せてくれる。そして変幻自在のギター・プレイ。ロックな演奏に留まらず、アコースティックギターによるメロディアスな演奏やボトルネックを使ったブルージーな演奏などこちらも幅を広げている。さらにソロ・プレイにおいては彼自身が標榜する“ギターソロはそのメロディが口ずさめるものでなければならない”という基本方針に沿って次々と名演を発表している橋本明宣。1枚のCDに彼の全てを納めることは不可能であるが、その大まかな魅力を感じ取ってもらうことが出来る内容であることは間違いない。

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収録曲は次のとおり。

1.アイム・ノット・アフレイド I'm Not Afraid (For You) (Words and Music By A.Hashimoto)
記念すべきデビュー作品集「洛東UNDERGROUND」のエンディングナンバー。この作品集は比較的単純明快な収録曲が多い中で、複雑な曲構成、未来を見据えているかのようなテクニカルなギターと橋本の将来性を強く感じさせる作品である。尚、この曲はボーカルも橋本自身が担当している。

2.僕の心愛の夢 Dream (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
第二作品集「デイドリーム」よりセレクト。叙情的なスローバラードで遠鳴りするようなギターも神秘的である。全体的にデビューから数段の進歩が感じられる作品に仕上がっている。積極的なボーカルにもまた進歩が感じられ、後の“ボーカルはとらない宣言”が惜しまれる。

3.ロックンロールでもう一度 If You Want Again A Rock'N'Roll (Words and Music By A.Hashimoto)
一時的に再結成した1980年に録音された「RUGザ・ムービー」よりセレクトされたワイルドなロックナンバー。基本的にセッション風の録音をかき集めたものであるため演奏が粗いのは仕方がないが、そんな中にあって後のフライングアローに繋がっていくハードな曲作りとギター演奏に注目したい。

4.スカイ・ブルー Sky Blue (Words By T.Yamaguchi / Music By A.Hashimoto)
23年の歳月を飛び越えて突然発表された作品集「ワーカーズ」収録曲。洛東UNDERGROUND復活のきっかけになったとされるあの911事件をテーマにしたハードな作品。ダイナミックな曲構成も素晴らしいが、何より途中挿入される激しく引きつるようなギターソロが歴史的な事件に対するメッセージを感じさせる。

5.免許をなくすなっていうブルース - エレ・バー Don't Lose Your Licence Blues - Electric Version
  (Words By T.Yamaguchi / Music By A.Hashimoto)
誰もが洛東UNDERGROUNDの再休眠を予告したが、それをあざ笑うかのようにリリースされたCD2枚組全34曲を収録した「ミート・ザ・リザルト!」収録曲。橋本が初めて手掛けたブルース・ナンバーで森岡が独特のボーカルを聴かせる“アコ・バー”も存在するが、いずれも橋本の器用さを証明する素晴らしい仕上がりとなっている。

6.君の心に I Will Be In Your Heart (Words and Music By A.Hashimoto)
「ミート・ザ・リザルト!」収録曲。当時倉木麻衣のベスト盤を聴いていた山口が突発的にこのヒップホップ風バッキングを思いついたようだが、橋本自身はフライングアロー風ハードロックバンド向けにこの曲を書いたとのこと。森岡のボーカル、客演の上南によるベースプレイも素晴らしいが、やはり聴き所は途中のテクニカルなギターソロに尽きるだろう。

7.ワーカーズ魂 A Spirit Of The Workers (Words and Music By A.Hashimoto)
洛東UNDERGROUNDの定番テーマのひとつが“働く者への賛歌”こと“ワーカーズ”系列作品である。この作品は「ミート・ザ・リザルト!」用に書かれた悲痛な歌詞が心を打つ作品だが、特にギターソロが素晴らしく“RUG mission! Before 2007”というバンド内の互選によりベスト・ギターに選出された実績をもつ。

8.未だ夢の中 Even In Dream (Words and Music By A.Hashimoto)
原点回帰をテーマに掲げて録音された「バック・トゥ・ザ・プレイス」収録曲。出だしから繰り返し、そしてエンディングに向かうコーラスのパートに至るまで非常に良く出来た作品である上に、アコースティック・ギターによる流れるようなソロプレイに大いなる進化を見せつけられた。素晴らしいとしか言いようがない。

9.断片化された街 Blocked City (Words and Music By A.Hashimoto)
橋本のソングライティングの魅力は感じたことをそのまま一気に曲に仕上げてしまう点。この曲は直前に実施された“Radical Bakery Tour”(通称板橋東京ツアー)の時の首都高速道の印象がそのまま曲になっている。またここでは新たなチャレンジとしてスライドギターをワイルドに弾きこなしている。

10.カモン・エヴリバディ C'mon Everybody (Words and Music By A.Hashimoto)
結成30周年を記念して制作された「30周年記念編集盤」収録のロックンロールナンバー。これは1977〜78年頃に洛東UNDERGROUNDの新曲として書かれたものがこの時に再現されたということだが「ロックンロールでもう一度」と同じく来たるフライングアローへの布石を強く感じる。ギターソロもぶっ飛びでカッコいい。

11.「私淑の人」メインタイトル Main Title - One Who's Adored (Music By A.Hashimoto)
橋本が天才と言われる所以が凝縮された作品と言える。空想オリジナル・サウンドトラック「私淑の人」のオープニングを飾るのはアコースティック・ギターのメロディも美しいインストゥルメンタルナンバー。そのメロディの作り方、演奏の仕方、全てにおいて完璧な作品である。

12.ある新しい出会い・その1 - 知る人ぞ知る... One Of New Meetings (Part 1 - Minor Author)
  (EO Music Try 2009 Entry Version)
 (Words By Y.Goto and T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
同じく「私淑の人」収録曲であるが、ここに収録したテイク自体は流れるようなアコースティックギターを主体とした、シングル「意思あるところ道あり」にカップリングのアコースティック・バージョン。尚、これはケイオプティコム主催のネット音楽コンテスト“EO Music Try 2009”の本戦にエントリーされたことでも有名である。

13.右往左往 Go This Way And That (Single Version) (EO Music Try 2010 Entry Version) (Words and Music By A.Hashimoto)
空想のブルース・バンドによるブルース・アルバム「アップサウス・マウンテンマウス・ブルース・バンド」収録曲。“未曾有の経済危機に大企業ですら右往左往している”という強烈なメッセージが込められたナンバーで一気に突っ切るパート1と森岡が粘着質のボーカルを聴かせるパート2が存在するが、いずれにおいても楽曲の良さが際立つ。尚、ここで収録したのはパート2をベースとしたシングルバージョンである。また最新情報としてこの曲はケイオプティコム主催のネット音楽コンテスト“EO Music Try 2010”の Cool OTONA Artist 部門にエントリーされている

14.面影の空へ Look Up To The Sky His Smile Flows (Words By Y.Goto and T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
やはり「アップサウス・マウンテンマウス・ブルース・バンド」収録のスローバラード。飽きさせないメロディの展開などデビュー初期から比べれば格段の進歩が感じられる。そして一人多重録音によるツインギター、ダイナミックに展開する美しいギターソロと聴き所満載の充実作である。

15.貝がらの詩 The Shell (as AKIYOSHI HASHIMOTO) (Words and Music By A.Hashimoto)
橋本が1978年頃にソロで録音したとされる超貴重な音源。美しいメロディは橋本ならではだが、ダブルトラックのボーカルなど凝った録音にも驚かされる。尚、一説ではこの録音と同時に日本語で歌われる曲も録音されたようだが詳細は不明である。

16.パーティの唄 Song Of Party (Demo) (Words and Music By A.Hashimoto)
後に「30周年記念編集盤」に収録された作品のどうやらオリジナルデモと思われる貴重な音源。橋本自身がギターを弾きながら歌っているが、後ろで手拍子や口笛で賑やかしているのは森岡と山口か? しかしながらこのテイクだけで十分パーティ気分になれる不思議な録音である。

17.恋のさむけ Bitter Cold (as SEVENTIES) (Words By S.Kimura / Music By T.Yamaguti)
セブンティーズ名義でリリースされた「ゼン・アンド・ナウ」収録の一曲。橋本はギタリストとして客演している。この曲自体は木村成吉と山口の共作であるが、恐らくコンパクトながら当を得たギターソロ故のセレクトか?

18.夜明けのワーカーズ Workers From Daybreak (Demo) (Music By A.Hashimoto and T.Yamaguti)
「ワーカーズ」収録曲のデモと思われる録音。本番ではキーボードが奏でていたメロディを橋本自身がエレキギターで演奏している。尚、バッキングのアコースティックギターは山口の演奏と思われる。

19.誰かが万歩と呼んだ場所 The Place Someone Called 'Million Feet' (Demo) (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
「ワーカーズ」収録曲の発表デモのようである。全編に入る車のノイズは橋本邸から見下ろしたところを走る三条通の騒音であろうか。発表時点ですでにソロ辺りの譜割まで決めているあたりさすが橋本である。

20.僕は嘘つき Liar (Demo) (Words and Music By A.Hashimoto)
「ミート・ザ・リザルト!」収録曲の発表デモと思われる。しかし本番ではポリスを思わせるレゲエのリズムで展開されたがオリジナルはもの悲しく美しい作品となっている。このバージョンでの録音もぜひ聴いてみたいものである。

21.ちょっとラヴソング (So I Sing) A Little Bit Of Love (Demo) (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
「ミート・ザ・リザルト!」収録曲の発表デモと思われる。当時この曲はラララのハーモニーで発表され、山口がそれを聴きながら歌詞を書いたと言われていたが、どうやらそれは真実のようである。

22.キツいブルースを一発 I Want Hard Blues (Demo) (Words and Music By A.Hashimoto)
「アップサウス・マウンテン・マウス・ブルース・バンド」収録曲の発表デモか? 当時このプロジェクトを遂行するにあたりブルースに親しもうと“特選ブルース”という企画が行われていた。その一曲で紹介されたオールマン・ブラザーズ・バンドの「フーチー・クーチー・マン」に影響を受けて橋本が書いたのがこの曲だと言われている。

23.7年前のこと Seven Years Ago (Demo) (Words and Music By A.Hashimoto)
「バック・トゥ・ザ・プレイス」収録曲の発表デモと思われる(終盤ジュ〜ンと思われる吠え声が入るので山科スタジオでの録音か?)。これまで多くの楽曲を残してきた橋本の作品の中でも一、二を争う名曲でこの特別企画盤ともお別れである。あらためて彼の偉大な才能に敬意を表したいものである。

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“生誕50年記念CD・森岡真理編”である『湖からの不思議な風 - ザ・ベスト・オブ・堅田サウンド』は洛東UNDERGROUNDとして既に発表された音源16曲に加えて、非公式ライブ音源3曲、未発表デモ11曲の計30曲を収録している。森岡真理と言えばズバリ、“堅田サウンド”である。一般的に映画音楽に大きな影響を受けたという森岡が書き上げた独特の作風を持った楽曲をこのように称するが、まずもってこのコンピレーションでは彼の作品を網羅することによって“堅田サウンド”とは一体何なのか?という点について考察する趣向である。またこれは“堅田サウンド”を構成する要素としてもおろそかにできないが、教会で鍛えた素晴らしいボーカル、近年ますます腕を上げたと言われるハープ、そして後年に担当楽器として加えられたカズーの演奏についても洛東UNDERGROUNDの大きな武器であることは間違いない。寡作であるため一見簡単に全貌を見極められる錯覚に陥るが、森岡真理が生み出す独特の世界は捕らえどころがない。だが彼の場合は何とか1枚のCDに最低限をまとめ上げることができたと思うので、ぜひリスナーそれぞれで謎解きをしていただきたいものである。その謎はすなわち“堅田サウンドとは何か?”だ。

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収録曲は次のとおり。

1.ジャイル・ブレイカー Jail Breaker (Words and Music By M.Morioka)
このコンピレーションのオープニングはこの曲しか考えられない。森岡が初めて作詞・作曲を手掛けたこの「ジャイル・ブレイカー」は森の中を必死で逃げる脱獄囚の暗い映像が目に浮かぶような摩訶不思議なパワーを持っている。そしてこの不朽の名曲とともに“堅田サウンド”もまた誕生したのである。

2.アイ・ワンダー・アイ・ウォント I Wonder I Want (Words and Music By M.Morioka)
洛東UNDERGROUNDの第二作品集「デイドリーム」収録のナンバー。多くのリスナーが「ジャイル・ブレイカー」に続く“堅田サウンド”第二弾に注目したが、全く同じフレーズを繰り返し繰り返し挿入する呪術的なこのナンバーはまた新しい魅力とパワーを我々に与えてくれた。尚、ここではギターのメロディも森岡自身が弾いている。

3.お詫びの唄 No New Song (I'm Sorry) (Words By T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
いかにも初期風のフォーク/カントリー・ナンバーだが実は復帰第三作の「バック・トゥ・ザ・プレイス」収録曲。なかなか新曲を書かない森岡に対し他の二人から厳しいプレッシャーがかかっていたが、ある日“新曲書けん。すまんのー”というこの曲を発表。他の二人は“これって新曲かー?”と頭を捻ったそうだが、いかに森岡的なエピソードである。

4.哀愁のメロディ Lonely Melody (Music By M.Morioka)
数ある“堅田サウンド”のバリエーションにおいても最高傑作の部類に入る作品。当時「RUGザ・ムービー」におまけ的に収録されたにもかかわらず多方面に衝撃を与えた。森岡の体内に蓄積されたヨーロッパ映画的哀愁が見え隠れする究極のインストゥルメンタルナンバーである。

5.石  Stone (Words By T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
復帰第二弾「ミート・ザ・リザルト!」のオープニングを飾る華麗でパワフルなナンバー。ジェット気流のように展開するサウンドは“堅田サウンド”のさらなる進化形と評されたが、その実体は森岡自身が尿道結石で七転八倒したことを題材にした実話ソングである。

6.歩き続けた道 - 第三楽章  Still Away III (Words By T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
洛東UNDERGROUND結成30年を記念して作成された「30周年記念編集盤」に収録された三部作の最終曲。「歩き続けた道」は当時すでに決定だった解散を記念して書かれた作品だと言われている。尚、その後再結成宣言を行わないまま彼らは厚かましく活動を続けている。

7.タワー・キーパー Tower Keeper (Words and Music By M.Morioka)
「RUGザ・ムービー」収録の“堅田サウンド”第三弾作品。この作品は成田空港紛争をテーマにしており、ポップなメロディだがちょっと過激なところが話題を呼んだ。“堅田サウンド”の評価をさらに高めた一曲としても有名である。

8.痛いブルース The Pain Blues (Words and Music By M.Morioka)
ブルース作品集「アップサウス・マウンテン・マウス・ブルース・バンド」収録の作品。カントリー・タッチのブルース・ナンバーに仕上げており、またしても“堅田サウンド”の進化形として話題を呼んだ。またこの時、森岡は“BLUES☆KATATA支部”を標榜、B・B・キングを師と仰ぎつつブルースの世界に没頭してみせた。またここでは技術をさらに高めたハープ演奏も聴かせてくれる。

9.「私淑の人」愛のテーマ  Love Theme - One Who's Adored (Music By M.Morioka)
「哀愁のメロディ」と双璧と言われる感動のインストゥルメンタル作品。空想オリジナル・サウンドトラック「私淑の人」の終曲として収録され、森岡自身が口笛とギターソロを担当している。尚、当時シングルリリースされた「意志あるところ道あり」はこの作品のボーカルバージョンである。

10.ジャイル・ブレイカー Jail Breaker - A String Quintet Version (Words and Music By M.Morioka)
「30周年記念編集盤」収録の弦楽五重奏バージョン。途中橋本の重くハードなギターソロが挿入されるなど斬新である。しかし原曲の強烈なイメージが強すぎて今ひとつ成功しているとは言えないアレンジになっている。

11.ある新しい出会い・その3 - いい先生  One Of New Meetings (Part 3 - Good Master)
 (Words By Y.Goto and T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
空想オリジナル・サウンドトラック「私淑の人」収録の3部作の一部。共通のサビに対し3人3様のメロディを書くというユニークな企画であったが、森岡のバージョンは見事にボサノバの流れを汲んでおりまたしても“堅田サウンド”の奥深さを感じさせる。

12.さざなみ  Wavelet (Words By Y.Goto and T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
橋本を始めとして多くの仲間達から“堅田サウンド”の最高傑作と評価される作品。クラシカルに3拍子のワルツで展開される不思議な作品で「私淑の人」に収録された。途中、後藤雄二のクラリネットが挿入されておりさらなる感動を呼ぶ。

13.マイ・オールド・フレンド My Old Friend (Words and Music By M.Morioka)
復帰第一作「ワーカーズ」収録の名曲。優れたメロディメイキングに加え、ダテに歳をとっていない深みのある歌詞が用意され多くのリスナーを涙させた。尚、この曲を歌うにあたり森岡は“フランク・シナトラのように歌う”ことを目指したとのこと。

14.イタバシ、トーキョー  RBT#2 - Itabashi,TOKYO (Words By T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
こちらも評価の高いカントリー・ポップ・ナンバー。やはり共通のサビに対し3人3様のメロディを書いた「ラジカル・ベイカリー・ツアー」収録の一曲。尚、“ラジカル・ベイカリー・ツアー”は森岡が若き日にケーキ屋さんに勤めながら東京で一人暮らしをしていたことが織り込まれた連作である。

15.哀愁のメロディ Lonely Melody - A Cote De Seine Version (Music By M.Morioka)
「30周年記念編集盤」収録のセルフ・カバー・バージョン。ここでは“セーヌ川のほとりにて”というイメージに沿ってアコーディオンがフューチャーされている。しかしやはりアコースティック・ギター2本だけで圧倒的な存在感を示す原曲を勝るものはないだろう。

16.帰ってきたワーカーズ  Workers At Homebound (Words By T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
復帰第一作「ワーカーズ」に収録された小品。世界の労働者に捧げる5部作の最後を飾る作品でさりげない中でも包容力のあるボーカルが素晴らしい。尚、これを聴いた木村成吉は“CSN&Yのデヴィッド・クロスビーみたいな独特の存在感がある”と評したようである。

17.ジャイル・ブレイカー Jail Breaker (Tatari Live 1977) (Words and Music By M.Morioka)
1977年に日ノ岡スタジオで実施されたホームライブ、通称“たたりライブ”での演奏と思われる。とても高校生とは思えないドスのきいたボーカルに驚かされる。尚、たどたどしいアコースティックギターのオブリガートは山口が演奏していると言われている。

18.タワー・キーパー Tower Keeper (Demo) (Words and Music By M.Morioka)
「タワー・キーパー」の発表デモのようである。予め録音したテープを流しながら、生演奏しているようだ(後ろでかすかに橋本と山口の会話が聞こえたりする)。最後笑いで締めるあたりも森岡らしい。

19.栄枯盛衰 Rise And Fall (A Cappella Demo) (Words and Music By A.Hashimoto)
哀愁漂う作品だが実は橋本が書いた曲である。それをどういう訳かアカペラで歌うデモ? どうしてこのテイクが現存しているのかよく分からない。しかし一方では森岡のボーカル力の素晴らしさを再認識することができる。

20.やる気をなくしたワーカーズ  Workers Off The Beat (Trainning Demo) (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
「バック・トゥ・ザ・プレイス」収録曲。バックトラックは本番で使用されたとおりだがアコースティックのバッキングで乗って歌っておりコーラスも入らない。練習用のリハーサルテイクからの収録と考えるべきであろう。

21.イタバシ、トーキョー  RBT#2 - Itabashi,TOKYO (Demo) (Words By T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
「ラジカル・ベイカリー・ツアー」収録曲の発表デモのようである。ナチュラルにボーカルとギターだけの演奏で聴くとさらに味わい深い感動的な曲である。

22.石  Stone (Radical Bakery Tour Inside Car Live 2006) (Words and Music By M.Morioka)
いきなり“尿道結石の歌!”と笑わせるMCが入るこのテイクは、車の走行音やナビのアナウンスなどが入るところから“ラジカル・ベイカリー・ツアー”と銘打って行われた東京板橋ツアーの車内で録音されたバージョンと思われる。結果シンプルな演奏だが曲の魅力は何ら失われていない。

23.長い髪の少女  Long Haired Girl (Demo) (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
洛東UNDERGROUND第二作品集「デイドリーム」収録曲を何故か弾き語る森岡... 「30周年記念編集盤」作成前のセレクションで“どんな曲やったー?”という騒ぎが起きたため森岡が歌ってみせた、という説が有力。だがよく聴くと歌詞を間違ったりしている。

24.静かな解説  The Slow Explanation (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
「30周年記念編集盤」に収録された「静かなやつを歌わせないで」の録音に際してバックトラックに対する細かな注文をつけるため作成されたもののようである。本番のバージョンを聴くと指摘箇所は全て修正されている。彼らの制作スタイルを垣間見ることができる貴重な音源である。

25.74歳になっても - エンディング・パート  When We Are 74 - Ending Part (Demo) (Words By T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
元々「74歳になっても」は山口が奥井弘の言葉を織り込んで書いた歌詞に橋本が曲をつけたものであるが、制作過程で記念すべき曲なので森岡にも参加してもらおう、ということになった。どうやらこれは曲の末尾に加えられることになった森岡作曲部分の発表デモと思われる。

26.ネイビーブルーのオーバーコート  She's Crying In Overcoat Navyblue (Chorus Work)
  (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
森岡は多くの楽曲でユニークなコーラスを導入したとされる。この「私淑の人」収録曲のデモは森岡が他のメンバーにコーラスの取り方を指示する為に作成されたと思われる。これもまた彼らの制作スタイルを明らかにするものとして興味深い。

27.さざなみ  Wavelet (Demo) (Words By Y.Goto and T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
「私淑の人」収録曲の発表デモのようである。どういう訳か冒頭に波の音が収録されている(森岡が口で作っている?)が、それを聴いた山口が実際の録音でも波の音を入れた、という逸話がある。しかしこの曲が使われる場面には海は一切出てこない。

28.「私淑の人」愛のテーマ  Love Theme - One Who's Adored (Demo) (Music By M.Morioka)
「私淑の人」収録曲の発表デモのようである。結局この録音に準じて本番でもメロディは森岡が口笛で吹くことになった。ちなみここでもブーンという音が入っているが、ベースの上南はこの音を出すためにわざわざ別トラックの録音を行ったと言われている。またチッチッチというパーカッションの音は森岡が口で作っているようだ。

29.痛いブルース The Pain Blues (Demo) (Words and Music By M.Morioka)
「アップサウス・マウンテン・マウス・ブルース・バンド」収録曲の発表デモであろう。かなりブルース寄りの演奏で驚かされる。本番ではかなりカントリー風味が加えられたが、それは山口の意思によるものだったと考えられる。

30.マイ・オールド・フレンド My Old Friend (New Year Big Meeting And Acoustic Live 2004) (Words and Music By M.Morioka)
2004年に山科スタジオで実施されたホーム・ライブ(アコースティック・ライブ2004)の音源と思われる。楽しげな雰囲気を楽しみながら森岡を全面的にフューチャーした特別企画盤もフィナーレとなる。人柄そのままの包容力ある“堅田サウンド”を、これを機会に再認識してもらえれば幸いである。

ご拝読、ありがとう。では中身の方もお楽しみ下さい。