What is "Meet The Result !" ? WHAT IS ? CONTENTS BONUS TRACKS MAKING - SELECT SONGS MAKING - RECORDINGS MAKING - OTHER INFO

『ミート・ザ・リザルト!』洛東UNDERGROUND入魂の第五弾アルバムがついに全貌をあらわした。様々な面で成熟を感じさせた前作「ワーカーズ」に対して、今回の『ミート・ザ・リザルト!』は“結果を出せ!”を合い言葉に、楽曲ごとに設定された音楽的テーマに果敢にチャレンジするという意欲作である。


また本作は土壇場でリリース予定が1ヶ月ずれ込むなど制作に1年近い時間を要した力作でもある。多様なロック/ポップスのバリエーションに加えてお得意のフォーク、カントリーはもちろんのこと、R&B、ブルース、ジャズ、レゲエ、ラップ、エスニック... 用意された楽曲も合計33曲(34バージョン)という怒濤の作品集に仕上がっている。

しかしそれにしても舞の海の猫だましの如く変化する各楽曲... 戸惑うリスナーをあざ笑うかのように七変化を見せる洛東UNDERGROUND、恐るべし...。


第三弾シングル『愛しき詩たち - My Lovely Songs』第二弾シングル『石』第一弾先行シングル『クリスマスのワーカーズ』





以上、洛東UNDERGROUNDが満を持して発表した冒険心満載の新作をお楽しみいただければ幸いである。








Contents Of "Meet The Result !" WHAT IS ? CONTENTS BONUS TRACKS MAKING - SELECT SONGS MAKING - RECORDINGS MAKING - OTHER INFO

収録曲、パーソナル、簡単な曲目紹介は次のとおり。

1 - 1.石 Stone (Words By T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Piano / Strings / Bass / Rhythm Programming

森岡が尿道結石で七転八倒した事件を題材にした山口製歌詞に森岡自身が曲をつけた実話ソング。音楽的テーマは“QUEEN & ELO”というだけあって流麗なストリングスとせわしない?コーラス、メロディアスなギターソロがフューチャーされており“堅田サウンド”のさらなる進化形として話題を集めた。また歌詞を見たとたんにメロディが浮かんできた、と森岡自身が語るこの曲は第二弾シングルにも選出されている。

1 - 2.結局薬局放送局 After All, Chemist's Shop, On Broadcasts (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Piano / Brass Section / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Electric Guitar
M.Johnan .... Bass

音楽的テーマはズバリ“ロックンロール”ということでパワフルな演奏が展開されるが、意味不明なタイトルに加えて、歌詞には“人さらいの将軍様”や“野球の詐欺師ナベ○ネ”などが登場する無茶苦茶な作品。ジャム・セッション風のオープニングでいきなりコードの間違いが発覚し演奏が中断するが開き直る、という演出も笑わせる。またこの曲では元成吉 Communnication Club の上南雅博がベースで友情出演している点も注目である。

1 - 3.免許をなくすな!っていうブルース - アコ・バー
    Don't Lose Your Licence Blues - Acoustic Version
(Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Harp
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Acoustic Guitar
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Acoustic Guitar / Bass / Rhythm Programming

運転免許のうっかり失効で厳しい状況に追い込まれた橋本が免許証を無事取り戻すまでを描いた実話ソング。音楽的テーマは“シャッフルのブルース - トム・ウェイツ風”ということで2台のアコースティック・ギターによるブルージーなバッキングに乗る森岡の個性的なボーカル、さらに迫力満点のハープが全編で炸裂する素晴らしい仕上がりとなっている。メンバー達も語っているとおり、本作におけるベストテイクのひとつと言っていいだろう。

1 - 4.ウ〜ア Uh-a (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
T.Yamaguti .... Vocal / Clavinet / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar

山口が単身赴任時代(1995年〜1996年頃?)に書いた支離滅裂な歌詞に近年橋本が曲をつけた、通称“復刻シリーズ”の一曲。音楽的テーマは“グラムロック”となっているがそれもインチキ臭い、異様な雰囲気の作品である(当初は軽いノリのアレンジだったのを血迷った山口がこのアレンジに変更したと言われている)。しかし捨て難い魅力が潜んでいることも否定できないなんとも複雑な作品である。

1 - 5.ヒューマン・ソング The Human Song (Words and Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guirar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Elecctric Guitar
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Piano / Organ / Bass / Rhythm Programming

ビートルズの「オー・ダーリン」を彷彿とさせるR&B系バラード。コブシを廻しながら森岡が熱唱する“人類の歌は生きている!”という力強いフレーズも印象深い。尚、音楽的テーマは“ドゥワップ”ということになっているが、内山田洋とクール・ファイブを思い起こさせるコーラスワークは極めてユニーク。演歌的な印象も残るこの作品は非常に“日本人受け”するナンバーとして隠れた人気を呼びそうな気配である。

1 - 6.気象 Weather (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Synthesizer / Sequencer / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Electric Guitar

失恋を音もなく移りゆく気象状況に対比させた歌詞が用意されている不思議な作品。一時は没への道を歩んでいたはずなのだが橋本の強い主張でここに収録。音楽的テーマは“エレクトロ・ポップ”だが、全編にフューチャーされる適度に哀愁味を帯びた橋本のギターが素晴らしい。尚、最初は別のキーで録音が開始されたものの、そのキーを指示した山口が歌い切れず結局キーを変更した、という情けないエピソードが残っている。

1 - 7.いまも暮らす町 Live In This Town (Words andd Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Electric Guitar / Electric Piano / Bass / Rhythm Programming

橋本が自らが住む町に対する愛着を歌った郷愁系の作品。音楽的テーマは“ウエストコースト・サウンド(EAGLES)”ということだが、ゆったりしたテンポの中にも適度な湿りっ気を含んだイーグルスを彷彿とさせる秀逸な作品に仕上がっている。森岡のボーカルに絡む凝ったコーラス、哀愁のメロディをたたえたギターソロなど聴き所も多く、こちらもまたベストテイクのひとつと言ってよいと思う。

1 - 8.妄想の妄想 Obsession Obsession (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Brass Section / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar

音楽的テーマが“BEATLES - Good Morning, Good Morning”... て、そのままやないか!(怒)、という声が聞こえてきそうな変な作品。一体何が言いたいのか?という歌詞もまた厄介である。唯一リフレインあたりにRUG的なメロディ展開が出てきてかろうじて救われる。“ロクに聴きもせずこの曲を選出した!”と山口が橋本を非難するなどいろいろと物議を醸している曲でもある。

1 - 9.君の心に I Will Be In Your Heart (Words and Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Piano / Strings / Rhythm Programming
M.Johnan .... Bass

音楽的テーマが“ハードロックのバラード+ヒップポップ”というRUGらしからぬ印象を与える大作バラード。それもそのはずこれは橋本がRUGとして並行して非公式な活動を続けているというフライングアロー系バンド用に書いた作品。それにたまたま倉木麻衣のベスト盤を聴いていた山口が今風のリズムアレンジを取り込みこの仕上がりとなる。しかし森岡のボーカルは素晴らしく、橋本のギターも感動的。本作中1、2を争うテイクとして高い人気を誇る。洛東UNDERGROUNDというバンドの懐の深さを感じさせる作品でもある。尚、ベースは「結局薬局放送局」と同じくハードロックに造詣の深い盟友・上南雅博が担当、さすがと脱帽せざるをえない演奏を聴かせてくれる。

1 -10.白装束集団、現る White Men On A Forest Road (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
T.Yamaguti .... Vocal / Electric Guitar / Organ / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar

一時期世間を騒がせた“パ○ウェーヴ研究所”とそれに輪をかけて大騒ぎする周囲をネタにしたRUGならではの時事ソング。“最低の作品”と何故か否定的な橋本の意向を無視して山口によりここに採用されたらしい。しかし音楽的テーマが“アメリカン・ロック”ということでリフの取り方や、合いの手で入るJ・ガイルズ・バンド風コーラスなどに工夫が見られるユニークな仕上がりとなっており、それなりに楽しめる。

1 -11.恋にまいって That Beats Me (Words and Music By T.Yamaguti)
M.Morioka .... Vocal / Electric Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / 12-Electric Guitar (Solo)
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Bass / Rhythm Programming

Eメールなどを駆使する現代的な彼女への思いを歌う軽快な作品。音楽的テーマは“英国ポップ”ということで硬質なギターの音色と独特のコーラスワークが印象に残る。また橋本が演奏するエレキギターには12弦ギター風のエフェクトがかけられおもしろい効果を演出している。尚、この曲のタイトルは東京出張に出掛けた山口が山手線車内で目にした某ビールメーカーの“一口英語教室”から採用されたらしい。

1 -12.欠乏 Lack (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Acoustic Guitar / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Harp

“愛の欠乏、夢の欠乏... だけど僕らは楽しく歌い続ける”と歌われる一見ノー天気な、しかし根底には明るい開き直りが感じられるフォークソング。音楽的テーマもズバリ“フォークソング”ということで非常にRUGらしい作品となっており、橋本のギターソロ、森岡のハープやコーラスワークも素晴らしい。尚、この作品は2004年初頭のアコースティック・ライブでの発表をもって役割を終えるかと思われていたが、ここに復活。

1 -13.いつもヒーロー Always Hero (Words and Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar / Harp
T.Yamaguti .... Vocal / Piano / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar

“カントリー”を音楽的テーマに据えた軽いタッチの作品だが、RUGの三人のメンバーそれぞれの現況が歌い込まれた自伝的作品でもある。森岡と山口のダブルボーカルを採用、橋本が単独でコーラスをとる、という形で録音が行われている。どことなくビートルズの「マクスウェルズ・シルバー・ハンマー」に似た曲調のためか、ハンマーを思わせる金属的な音が挿入されているのがご愛敬。

1 -14.人生のスパイス Spice Of Life (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
T.Yamaguti .... Vocal / Piano / Organ / Marimba / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar

いわゆる“復刻シリーズ”(「ウ〜ア」の解説参照)の一曲。音楽的テーマは“オールディーズ”ということで、キーボード類がレトロな雰囲気を作っている。またここで聴かれるギターはなかなか仕上がりに納得できない橋本が3回も録り直しを行ったと言われる力演で、さすがに完成度の高い仕上がりとなっている。尚、この歌詞は古くからの音楽仲間である木村成吉に捧げたものだ、という噂が流れているが真相は定かではない。

1 -15.この年を忘れる会 A Bye-Bye This Year's Club (Words By T.Yamaguti + A.Hashimoto / Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Piano / Brass Section / Bass / Rhythm Programming

音楽的テーマは“R&B”ということで、らしいギターのカッティングやブラスのフレーズが登場するが意外とRUGを感じさせる作品となっている。奇しくも同じ日に東京出張となった橋本と山口が現地で実施した“忘年会”の直後に歌詞が書かれただけあって、最初は素面で、途中のだれた時間を経て最後は完全に酔っぱらっていく過程が森岡のボーカルで見事に表現されている。

1 -16.ニュー・イヤー・ビート New Year Beat (Words and Music By A.Hashimoto)
T.Yamaguti .... Vocal / Elecctric Guitar / Piano / Synthesizer / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar

“忘年会”に刺激されたためかどうかは定かではないが、新しい年を迎えた時のうきうきした感じを見事に表現した橋本の作品。音楽的テーマも橋本得意の“モダン・ロック”ということで、軽快なロックンロールのギターサウンドに乗ってちょっとふざけた山口のボーカルがおもしろい。ピンポイントで入る森岡の“オー、イェー!”という合いの手もばっちりである。“忘年会”の次は“新年会”というノリでメドレー風にまとめられている。

1 -17.ただ若すぎた日々 Only So Young (Words and Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Strings / Bass / Rhythm Programming

音楽的テーマは“フォークロックのバラード”。本作の制作にあたりまずどの曲を録音するかを投票した結果トップで選ばれた、というだけあって、森岡の深みのあるモノローグから入り徐々に盛り上がっていくこの作品は、本作中一、二を争う仕上がりと言っても過言ではないだろう。また一部ではRUG初期の名曲「もうとり戻せない」に比肩する、とも言われ、今後末永く歌い継がれるマスターピースになることは間違いない。

2 - 1.愛しき詩たち My Lovely Songs (Words and Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar / Piano
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Synthesizer / Bass / Rhythm Programming

“若い子たちがカラオケで歌える曲”をイメージして橋本が書いたポップなナンバー。音楽的テーマは“歌謡曲”だが、とってつけたような特徴的なフレーズが挿入されるなど非常にJ−POP的な展開も見せる素晴らしい作品である。橋本自身が考案し演奏を手がけたピアノ、ミスマッチのように思えるが実は完璧にハマった森岡のボーカルなど聴き所も多い。尚、この曲はさらに印税を稼ぐべく第三弾シングルとしてリリースされた。

2 - 2.序曲 Overture (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Synthesizer (Choir) / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar
M.Morioka .... Backing Vocal / Electric Guitar

フェイズ・シフターの効いたエレキ・ギターによる静かな導入から入るこの作品は、作者の山口自身が成吉 Communication Club 時代に発表した「1234567」というロックンロール・ナンバーの歌詞の大部分をここに再利用しているのだが、こちらは逃げるのではなく“(滅茶苦茶になってしまった地球を)再生しよう”と歌っている。ただし“BEATLES - Across The Universe”という音楽的テーマとの関連性はよく判らない...。

2 - 3.嵐を呼ぶワーカーズ Workers Under The Storm (Words By T.Yamaguti + A.Hashimoto / Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar (Solo)
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Acoustic Guitar
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Organ / Bass / Rhythm Programming
June .... Scratch The Door

音楽的テーマが“アコースティック・ポップ”という非常にRUGらしいノリを持った作品。“マイナスのパワーを結集して気象をコントロールせよ!”等と言う支離滅裂な歌詞を森岡がコブシを巧みに廻しながら歌いきる。尚、イントロの短いアコースティック・ギターのソロは橋本ではなく森岡が担当。また森岡のソロプレイが終わったあたりに山口家の愛犬ジュ〜ンが乱入した際のドアをひっかく音がかすかに収録されている。

2 - 4.免許をなくすな!っていうブルース - エレ・バー
    Don't Lose Your Licence Blues - Electric Version
(Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
T.Yamaguti .... Vocal / Electric Guitar / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Harp

ディスク1収録の“アコ・バー”(アコースティック・バージョン)に対しこちらはエレキ・ギター2台のバッキングに山口のボーカルを乗せた“エレ・バー”(エレキ・バージョン)。ソロパートも橋本のギターに代わっている。こちらの音楽的テーマは“シャッフルのブルース”ということで橋本自身も仕上がりに満足している自信作。味わいという点では“アコ・バー”に譲るが、こちらは非常にロック的なアレンジで楽しめると思う。

2 - 5.掟の世界 World Of The Rule (Words and Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Piano / Digital Sax / Bass / Rhythm Programming / Timpani

ズバリ、音楽的テーマに“ウォール・オブ・サウンド”を据えただけあって乱打されるティンパニなども含めフィル・スペクター風の雰囲気を醸し出す作品である。基本的にはワーカーズ・シリーズの系列に位置し、時には正しくないことも正しいのだ、といったねじれた世界が歌われる秀作でもある。そういったことから見るとこの邦題は正しくなく“商習慣の世界”あたりが妥当と思われる意味深い作品である。

2 - 6.ユー・ディスライク・ミー You Dislike Me (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Organ / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Electric Guitar

それにしても異様な重さを感じさせる作品である。音楽的テーマに“ヘヴィ・ブルース”を据えたこの作品は、山口が“とある出来事、およびビートルズの「アイ・ウォント・ユー」を聴いたため”に誕生したと言われている。最初のソロパートはハードなギターのカッティングからオルガンの軽いソロへ、次のソロパートはシャッフルのリズムに展開してハードなギターのソロへ、とドラマチックな展開が見られる。コーラスもおもしろい。

2 - 7.人生の雨の日 A Rainy Day In The Life (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Acoustic Guitar
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Violin Section / Bass / Rhythm Programming

これもまた“復刻シリーズ”(「ウ〜ア」の解説参照)の一曲で、山口が当時感じていた孤独感がにじみ出る歌詞が付いている。ここでの音楽的テーマは“エスニック”ということで暗いとも明るいとも言えない独特の雰囲気をこの曲は持っており、橋本の高い才能が感じられる。またこの曲においては地中海風のパーカッションやバイオリン風の音色に乗る森岡の味わい深いボーカルが最大の聴き所となっている。

2 - 8.後悔 Regret (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Strings / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Acoustic Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Electric Guitar

なんとも言えないコード進行により不思議な雰囲気を醸し出す小品。森岡のエレキ・ギターのアルペジオが効いており、終盤それに重なる橋本のアコースティック・ギターのソロも印象深い。“JOHN DENVER - Sunshine On My Shoulders”という音楽的テーマもうなづける。尚、この曲にはとりあえず「いまも暮らす町」の歌詞を借りてメロディが作られ、その後に現在の歌詞に置き換えられた、という胡散臭いエピソードがある(この厚かましいバージョンは「僕もまた暮らす町」としてシングル「クリスマスのワーカーズ」にカップリングされた)。

2 - 9.魔法 Magic (Words and Music By T.Yamaguti)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar / Abacus
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar / Pin Case
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Bass / Rhythm Programming / Ash Trays

音楽的テーマに“ラテン”を据えた異色作。しかし何故かRUG的でしっくりくるところが不思議だ。おそらく全編で鳴り響く各種の“鳴り物”とにぎやかな“掛け声”がポイントだと思われるが、もしかしたら元々彼らにはラテン系の血が流れているのかも...(?)。途中無理矢理挿入される「オーバー・ザ・レインボウ」のハーモニーは蛇足の感が残るが、楽しく和やかな雰囲気には好感が持てる。

2 -10.二階から目薬 Eye Lotion From The 2nd Floor (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Rapping (Assistant) / Organ / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Rapping (Lead) / Backing Vocal / Electric Guitar

音楽的テーマが“ファンク/ラップ”というRUGにとって革命的なこの作品、しかしその実態は米大統領などお馴染みのメンバーが顔を出す強烈な社会的メッセージを含んでいる。異様なグルーヴを生み出す橋本のギター、淡々とした、しかしドスのきいた森岡のラッピングなど注目すべき点も多い。また人を馬鹿にしたようなタイトルは「結局薬局放送局」に次ぐ“和製英語シリーズ”の第二弾だと言われている。

2 -11.デイ・バイ・デイ Day By Day (For You And Me) (Words By S.Kimura / Music By T.Yamaguti)
M.Morioka .... Vocal
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Piano / Strings / Digital Sax / Bass / Rhythm Programming

大まじめに“ジャズ”という音楽的テーマにチャレンジした作品。メンバー達は“似非ジャズ”などと言っているがフランク・シナトラばりの森岡のボーカル、巧みに合いの手を加える橋本のギターなどなかなかどうして馬鹿に出来ない仕上がりとなっている。尚、この作品はRUGと縁が深い木村成吉が詞を書いており、元々は“セヴンティーズ”プロジェクト用に書かれたものらしいが、自衛隊のイラク派遣で本作採用が決定した。

2 -12.ワンデイ・トリッパー One Day Tripper (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
T.Yamaguti .... Vocal / Clavinet / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Electric Guitar

シンプルなコード進行にもかかわらず印象深いメロディを用意しているあたり、ポール・マッカートニーに通じる才能を感じさせる作品。全般的な演奏やコーラス・ワークにメンバー達の音楽的共通点がビートルズであることを感じさせる一曲。音楽的テーマも“BEATLES - Day Tripper / She's A Woman”ということになっている。しかし歌の内容は“日帰り出張族”に捧げられており、紛れもなくワーカーズ系列の作品である。

2 -13.狼たちの午後 Dog Day Afternoon (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Electric Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Acoustic Guitar / Organ / Bass / Rhythm Programming

同名映画をモチーフにした山口の歌詞に橋本が曲をつけた作品で、そのデモ・テイクを聴いた山口により“DIRE STRAITS = MARK KNOPFLER”という音楽的テーマが設定された。ボーカルを担当する森岡、ギターソロを担当する橋本ともそのテーマに沿って熱演を繰り広げており終盤に向かうところでのハイライト作品となっている。特に転調を意識させないスムーズな流れは橋本のソングライターとしての高い才能を示している。

2 -14.僕は嘘つき Liar (Words and Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Harp
T.Yamaguti .... Vocal / Harpshicode / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)

周囲に迎合すべく自分を変えながらも、それは嘘をついているのと同じだ... という内省的な歌詞が素晴らしい橋本の作品。元来アコースティカルなゆったりしたアレンジに合う作品なのだが、何故か山口により“レゲエ (POLICE)”という音楽的テーマが設定されポリス風のハードな演奏が記録されることとなった。また途中のギターソロには初期ビートルズなどに見られる“テープの逆回転”という実験的手法が施されている。

2 -15.クリスマスのワーカーズ Workers Into Xmas (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Organ / Bass / Rhythm Programming / Jingle Bell

長いことやってきたわりにクリスマス・ソングがない!と山口が言い出したことがきっかけで誕生した作品。音楽的テーマは“ジャンプ・ソウル”となっているが、ジングルベルの調べを乗せるため無理矢理そういうリズム展開になっているだけで、実は結構ポップな仕上がりである。森岡のボーカルも抜群であり、オルガン〜ギターとつながるソロ・パートもおもしろい。癒し系の歌詞も含め記念すべきクリスマス・ソングの名作として語り継がれるのではないだろうか。

2 -16.ワーカーズ魂 A Spirit Of The Workers (Words and Music By A.Hashimoto)
T.Yamaguti .... Vocal / Acoustic Guitar / Synthesizer / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Electric Guitar

本作において実質のタイトルトラックと呼べる作品である。常に結果が求められる労働者(ワーカーズ)の不屈の魂をパワフルなサウンドに乗せて歌う。見事にまとめられた曲構成、分厚い音、優れたコーラスワーク、そして抜群の冴えを見せる橋本のギターソロ... “パワーポップ”という音楽的テーマそのままのスリリングな仕上がりであり、一連のワーカーズ・シリーズの中でも最高峰の作品と言ってよいだろう。

2 -17.ちょっとラヴソング (So I Sing) A Little Bit Of Love (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Piano / Strings

本作のフィナーレを飾るのはピアノと重厚なストリングスに彩られた美しいバラード作品。音楽的テーマも“クラシック”ということで、教会で鍛えられた森岡のボーカルが映える感動作である。またフライング・アローで鍛えた橋本のギター・ソロも華麗だ。尚、この作品は通常歌詞が先、メロディが後の山口・橋本作品において、メロディが先に出来てそれに基づき歌詞が作られた最初の作品だと言われている。

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以下はボーナストラックとして収録された曲目である。

1 -18.気象(自然ミックス) Weather (Natural Mix) (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Acoustic Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar

シークエンサーが奏でる固定的なメロディにエレキギターが重なっていく標準バージョンに対し、こちらはエレクトリックな要素を廃しアコースティック・ギターを中心としたナチュラルなバージョンとなっている。シングル「クリスマスのワーカーズ」にカップリングされた。

1 -19.免許をなくすな!っていうブルース - フルアコ・バー
    Don't Lose Your Licence Blues - Full Acoustic Version
(Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Harp
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Acoustic Guitar
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Acoustic Guitar / Tambourine

シングル「石」にカップリングされたトラックである。“アコ・バー”からバックトラックを消去しタンバリンに置き換えたシンプルなミキシングとなっている。しかしこの曲の持つ魅力、森岡というボーカリストの特異性などは何ら失われていない。

1 -20.石(初期RUGミックス) Stone (Early RUG Mix) (Words By T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Tambourine

シングル「石」にカップリングされたトラックである。初期RUGの雰囲気を再現したミキシングで、バックトラックの代わりにタンバリンが使われている。非常にシンプルな音であるが、それでも森岡の呪術的なパワー・ボーカルがより引き立っているあたりおもしろい仕上がりである。

2 -18.人生のスパイス(未発表テイク) Spice Of Life (Alternate Take) (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
T.Yamaguti .... Vocal / Piano / Organ / Marimba / Bass / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar

「人生のスパイス」の解説で述べたとおり、この曲のギター・パートは録音を3回もやり直しており、このトラックはその2回目のものだと思われる(最終版はカッティングを主にしているのに対し、こちらはアルペジオを主にしている)。これはこれでおもしろいが、やはり最終形の方が出来が良いと言わざるをえない。そういった面で貴重なトラックである。

2 -19.結果:286−252 Result : 286-252 (Music By 洛東UNDERGROUND)
M.Morioka .... Voices
A.Hashimoto .... Electric Guitar (Solo)
T.Yamaguti .... Synthesizer / Bass / Rhythm Programming

あちこちからもってきた音源をつぎはぎして作られたサウンドコラージュ作品。蛇足的な作品ではあるが、2004年のアメリカ大統領選挙結果(ブッシュ候補286票、ケリー候補252票)に対するある種のメッセージを包含している。尚、利用された音源は前作収録の「スカイ・ブルー」「沈黙のワーカーズ」、本作から「二階から目薬」「結局薬局放送局」「妄想の妄想」。

2 -20.愛しき詩たち(カラオケ) My Lovely Songs (KARAOKE) (Words and Music By A.Hashimoto)
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar / Piano
M.Morioka .... Acoustic Guitar
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Synthesizer / Bass / Rhythm Programming

シングル「愛しき詩たち - My Lovely Songs」にカップリングされたトラックであるが、その実態は原曲から森岡のボーカルを抜いただけのカラオケ・バージョン。より多くの人にカラオケで歌って欲しい、というRUGからのメッセージである。

 Let's Play Tracks Of Album ...



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2004年2月1日 .... 第一次選曲mission発動。しかし「石」は自動的に確定!
2004年1月初頭にアコースティック・ライブを実施した洛東UNDERGROUNDは若干の休憩を経てついに新作の制作に乗り出した。ちなみに収録された作品の大半はこの時点ですでに発表済みとなっていた。多くは様々な事情で前作『ワーカーズ』に収録されなかったものだが、『ワーカーズ』録音中にボコボコ誕生したものも相当数含まれる。とにかく曲目を決めなければならない、ということでmissionが発動される。“待機中の曲目リストから一人4曲+予備曲2曲の計6曲を選出せよ!”... ただし森岡作の「石」はあまりにも感動的である、という明白な理由からこの時点で自動的に確定、新作収録曲第一号となった。

2004年2月7日 ....第一次課題曲決定および第二次課題曲一部決定!
新作に対するメンバー達の意識は結構高いものがあった。その証拠にかなり早いタイミングで選曲が出揃う。尚、投票の結果「ただ若すぎた日々」は一番人気で選出がダブってしまったため森岡が予備曲から一曲を再選出。その結果、第一次課題曲は強制自動選出の「石」に加え「免許をなくすな!っていうブルース」「ただ若すぎた日々」「結局薬局放送局」「序曲」(以上橋本選出)「後悔」「愛しき詩たち - My Lovely Songs」「ちょっとラブソング」「二階から目薬」(以上森岡選出)、「ワーカーズ魂」「掟の世界」「人生の雨の日」「人生のスパイス」(以上山口選出)の合計13曲が確定された。また残った予備曲5曲(「いまも暮らす町」「気象」「クリスマスのワーカーズ」「いつもヒーロー」「白装束集団、現る」)は自動的に第二次課題曲に決定...。

2004年5月30日 .... 第二次選曲mission発動。にもかかわらず「狼たちの午後」「君の心に」「ウ〜ア」発表!
様々な苦難を乗り越え(そのためいつの間にか“結果を出せ!”が合い言葉に..)ようやくコーラス録音待ちが数曲となった段階で、突然新たなmissionが発動された。当初から薄々感じていたことだが、溜まりに溜まった新曲は半端な数ではなく来る新作はCD2枚組になるだろう... という前提で“待機中の曲目リストから一人2曲+予備曲2曲を選出せよ!”(森岡のみ3曲+予備曲2曲)。ところがそんなことを言っている最中に、橋本により新曲が発表された。しかも3曲も! 同名映画をモチーフにした山口の歌詞に曲がつけられた「狼たちの午後」、元々はフライング・アロー系バンド用に書かれたという大作バラード風の「君の心に」、いわゆる復刻シリーズの一曲(で何だかへんてこりんな..)「ウ〜ア」... もう早くも無茶苦茶な混乱状態となり始める。

2004年6月13日 .... 第二次課題曲全曲決定および第三次課題曲一部決定!
どさくさに紛れて第二次課題曲の全貌が明らかになった。まず前回の「石」同様「狼たちの午後」があまりにも素晴らしい、というわかりやすい理由により強制選出された。さらに「欠乏」「恋にまいって」(以上橋本選出)、「君の心に」「ユー・ディスライク・ミー」「デイ・バイ・デイ」(以上森岡選出)、「嵐を呼ぶワーカーズ」「僕は嘘つき」(以上山口選出)が前回選出済みの5曲に加えられ第二次課題曲には合計13曲が確定。また今回は予備曲の方でダブりが出たがうやむやのうちに「ワンデイ・トリッパー」「妄想の妄想」「ヒューマン・ソング」「魔法」の4曲が第三次課題曲に決定した。しかしこれで収録予定曲は13+13+4、さらに「免許をなくすな!っていうブルース」は“アコ・バー”と“エレ・バー”2バージョンの録音を予定しているため+1で総計31曲...。ちなみにこの時点ではまだ録音が完了した曲は一曲もない。さらに裏では密かに新曲が生まれ続けているという状況。大変だ!

2004年8月16日 .... 新作タイトル仮決定! そしてキーポイント曲決定mission発動!
ようやく第一次課題曲のうち9曲が録音完了となり調子に乗るメンバー達は重い腰を上げ新作のタイトルを仮決定する。その名も『ミート・ザ・リザルト!』... 録音中頻繁に叫ばれたフレーズ“結果を出せ!”がそのまま採用されるという安直さである。また前作は録音開始時点で曲順まで決まっていたが、今回はCD2枚組であり曲目自体も順次決定される、という展開であるため、ここらで“四隅”(ディスク1のオープニングとエンディング、ディスク2のオープニングとエンディング)を決めよう、ということになりmissionが発動された。

2004年8月21日 .... 第三次課題曲決定!
“四隅”を考える都合上、収録曲も確定せなあかんやろ、ということでここはリーダー橋本と山口が協議の上まず収録曲数を34曲とすることを決定する。現在31曲が決まっているので残る3曲は... ええい、決めてまえ! 勢い決定されたのは新作完成が2004年年末から2005年初頭になりそうだ、という読みから「この年を忘れる会」「ニュー・イヤー・ビート」(忘年会、そして新年会というノリである)、さらに何か変だがおもしろいので「ウ〜ア」... もう支離滅裂な意志決定だが、これで第三次課題曲が前回決まった4曲にこれらを加えて合計7曲に決定。新作収録曲もまた確定となった。

2004年8月29日 ....『ミート・ザ・リザルト!』全貌決定!
ここに来て“四隅”が確定された。実際には森岡は他の二人に一任すると言い、結局口の達者な山口が「二階から目薬」の採用を主張する橋本を丸め込みディスク1のオープニングは「石」、エンディングは「ただ若すぎた日々」、ディスク2のオープニングは「愛しき詩たち - My Lovely Songs」、エンディングは「ちょっとラブソング」となる。これを基本形として全体の曲順も策定され、いよいよ新作『ミート・ザ・リザルト!』の全貌が明らかになった。後は中身だ!と言うメンバー達。しかしこの時点ではまだ録音完了は9曲のまま増えておらず、第二次課題曲の半分と第三次課題曲全てが手つかずの状態... 彼らの“結果を出す”ための苦しい戦いはまだまだ続くのであった...。

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■2004/03/T
2月の頭に第一次課題曲が決定されたのをうけて山口によりベースとなるバックトラックの制作が進められた。内容は前作同様パソコンを使用、ドラムスの打ち込みおよびベースとキーボードで再現できる楽器については実際の鍵盤キーボードからの入力を実施。この音源は他のメンバーに回付され、さらにミーティングを経て何度か修正が行われたという。

■2004/03/13
『ミート・ザ・リザルト!』の第一音は橋本により印された。ただし主担当のギターではなく、この日は「愛しき詩たち - My Lovely Songs」のピアノの録音が実施される。慣れない手つきながらも予め考え抜かれたフレーズを演奏する橋本... とにもかくにもこの日をもって新作の録音作業が開始されたのであった。

■2004/03/27
この日は橋本と山口によりアコースティック・ギターに関する録音が実施された。まず2台のギターを使って「免許をなくすな!っていうブルース - アコ・バー」を録音。“結構ええやん!”と調子に乗った橋本はさらに単独で「人生の雨の日」のアルペジオ風演奏を録音した。

■2004/04/04
山口が単独で録音を実施。ボーカルとエレキ・ギターの同時録音で「免許をなくすな!っていうブルース - エレ・バー」。

■2004/04/17
この日満を持して森岡が登場、全員集合で録音作業が実施された。まず森岡がフェイズ・シフターを効かせたエレキで「序曲」のバッキングを山口のボーカルと同時録音。また橋本エレキ、森岡アコースティックの2本のギターで「掟の世界」、森岡アコースティック・ギター+山口ボーカルで「人生のスパイス」と続いた。尚、「人生のスパイス」はさらに橋本が単独でエレキによる新作第一号ソロを録音、コーラス待ち曲第一号に昇格した。また森岡は「免許をなくすな!っていうブルース - アコ・バー」のボーカルを単独で片付けた上、「ちょっとラブソング」のボーカルとアコースティック・ギター同時録音にチャレンジする。前者は素晴らしい仕上がりで橋本より“今日イチである(=今日一番の出来である)”と絶賛された。また後者は結局ふたつのパートを別々に録音する羽目になったものの満足できる録音となった。さらに橋本による「免許をなくすな!っていうブルース - エレ・バー」のエレキ(ソロ)の録音も完了、徐々に形を成す新作にますます意気上がるこの日のメンバー達であった...。

■2004/04/29
この日も全員集合による録音が予定されていたが、事前に森岡より“フェイント弾だ!! 伏せろ!”と題されたメールが発信され橋本のみの参加で録音が実施される。まず「序曲」「愛しき詩たち - My Lovely Songs」のエレキが録音された(これで「序曲」がコーラス待ち曲第二号となる)。さらに“4/17に録音したギターが気にくわん!”ということで「人生のスパイス」のエレキ・ギター(ソロ)の録り直しも実施された。またこの日事前に用意された「ワーカーズ魂」の山口単独ボーカル+アコースティック・ギターを聴いた橋本より歌い方などにいくつか注文が出た。仕方なく山口は再録音を実施...。

■2004/05/08
この日は橋本が長期出張ロードで離脱、代わりに森岡が参加し録音が実施された。まずアコースティック・ギター、続いてボーカルで「ただ若すぎた日々」にトライ。新作中最も注目されるナンバーだが、かなり良い仕上がりに森岡も納得したと伝えられる。勢いに乗って「人生の雨の日」のボーカルとアコースティック・ギター(これでこの曲もコーラス待ちに..)、さらに「愛しき詩たち - My Lovely Songs」のアコースティック・ギターを軽快に片づける。ただしここで“ぼちぼち「後悔」行きますかぁ?”と声がかかり顔面蒼白の森岡... 厳しい表情で「後悔」のエレキ・ギター(しかもアルペジオ)に挑戦。しかし“引き際が肝心。後悔先に立たず..”などと言いながら何とかこなしほっとする森岡... だが対照的に山口はまたしても「ワーカーズ魂」のボーカルとアコースティック・ギターを再録音... 橋本より“テンポを気持ち早く!”という恐るべきリクエストが出たためだが“これだけ苦労したのだから素晴らしい仕上がりになることは間違いないだろう”とは山口の弁。

■2004/05/22
この日は橋本のみが参加しての録音。しかも強烈な腹痛&下痢に続いて歯茎が腫れるというアクシデントを乗り越えての厳しい録音作業となった。それに輪をかけて当初計画では“ソロパートのない曲を最初に録音する”ということでここに至った訳だが、この段階でソロ無曲は完了してしまったため、重い腰をあげてソロパートに挑むという状況...。手始めはすでに森岡が素晴らしいボーカル等を収録済みの「ただ若すぎた日々」。しかしここは気合いで乗り切り、クラシカルなメロディが美しい「ちょっとラブソング」、アコースティック・ギターに持ち替えての「後悔」、さらにフィナーレは驚くべきエレキのギターソロが炸裂した「ワーカーズ魂」と軽快に“結果”を出してみせた。

■2004/05/29
今回は山口からフェイント弾が発射されてしまい全員集合による録音作業という貴重な機会が失われてしまう。ここまで比較的快調に進んでいただけに残念である。

■2004/06/12
さていよいよ最初の山場に差し掛かった。難航が予想されるファンク・ナンバー「二階から目薬」のエレキ(ソロ)の録音に橋本が挑戦! 予想どおりドタバタしたが完成してみるとなかなかの出来上がりで大喜びの橋本(だがまだこの曲にはラップという難所が残っている..)。勢いが出た橋本は大胆にも山口のボーカルと同時録音で「結局薬局放送局」のエレキ(ソロ)も退治。さらに“やっぱり納得できん! 三度目の正直じゃ〜!”と「人生のスパイス」のエレキ(ソロ)に再チャレンジし、ようやく納得できる結果を得た。

■2004/06/19
第二次課題曲が決定され山口がお馴染みの手法でバックトラックの制作に着手する一方、第一次課題曲の録音にも拍車がかかる。森岡のために設定されたこの日、音楽監督として駆けつけた橋本も見守る中録音が開始された。まず手つかずだった「」のアコースティック・ギターとボーカルがそれぞれ録音された。途中の細かいコードチェンジのタイミングを何回か変更したバックトラックに乗って軽快に歌う森岡。結果は完璧であった。さらに「掟の世界」「愛しき詩たち - My Lovely Songs」のボーカルを立て続けに片づける(特に後者は新たに導入された録音機材に装備されるボーカルエフェクトにより非常に良い仕上がりとなる)。しかしここからは森岡が最も苦手とするエレキ・ギターのバッキングという厳しい戦いが幕を開ける。「二階から目薬」「結局薬局放送局」「ワーカーズ魂」... しかしそれなりの結果は出たので疲労困憊ながらもこの日の録音作業は完了となった。

■2004/06/26
第二次課題曲のバックトラックを納めたCDが配布されたり、橋本家にADSLが導入されたりと忙しいRUG周辺だが、この日は橋本が短時間の録音を行った。まず「」のエレキ(ソロ)を録音。事前にかなり検討を重ねただけあって満足できる仕上がりである。本当はこれのみがノルマだったが「結局薬局放送局」のエレキも録音... あれ?ということなのだが、実は前回録音したのが本編でこちらは“演奏を始めたけどどっちらけになる”というミステイクバージョン。いずれにしてもこれは一瞬にして録音が完了...。

■2004/07/19
この日は森岡のみを迎えての録音作業。本日の最大テーマは第一次課題曲全曲をコーラス待ちのレベルに持っていくことである。まず「免許をなくすな!っていうブルース - エレ・バー」「免許をなくすな!っていうブルース - アコ・バー」のハープを録音。前者ではかなり苦労したが、何故かソロパートもある後者は一発OKとなる。そして最後は「二階から目薬」のラップ! “訳がわからん”と半泣きの森岡だったが山口よりアドバイスを受け最後は楽しそうに?録音を完了した。かくして新作『ミート・ザ・リザルト!』の制作は第一次課題曲のコーラス録音と第二次課題曲自体の録音に着手する段階に入ったのであった。

■2004/08/08
なかなか集まれないことに業を煮やしたか、山口が単独で「欠乏」のボーカルとアコースティック・ギターを同時録音する。

■2004/08/07
何かと多忙な中、橋本が山口邸を訪れいよいよコーラスを録音する段取りとなる。この日は森岡がボーカルを担当している曲に橋本&山口のコーラスを重ねる作業が行われ「」「免許をなくすな!っていうブルース - アコ・バー」「人生の雨の日」「掟の世界」の4曲の録音が完了。5ヶ月弱の期間を経てようやく4曲完成した! しかしこの時点での課題曲総数は27曲... 先は長いなぁ、というのが橋本が漏らした感想である。

■2004/08/12
雪崩式に第二次課題曲録音開始! この日はNTTによる妨害工作?があったにもかかわらず森岡が録音にチャレンジした。とりあえず苦手のエレキから... という訳でもないのだが、まず森岡のエレキ・ギター+山口のボーカルの同時録音で「気象」をやっつけ、続いて森岡単独で「恋にまいって」のエレキ・ギターを録音。こちらはかなり粗い演奏であったが“かえってそれが良い”という山口により承認された。また森岡のアコースティック、山口のエレキという2本のギター同時録音で「いまも暮らす町」も録音。“準備不足のわりには3曲を消化した。RUGの底力を感じる”とは森岡のコメント...。

■2004/08/15
今度は橋本が山口邸に現れ8/7の続きとしてコーラスの録音を行う。残る森岡ボーカル曲は3曲。まず“素晴らしい森岡のボーカルをいかに汚さずコーラスを重ねるか?”という難題にチャレンジした「ただ若すぎた日々」をクリアして勢いに乗り「愛しき詩たち - My Lovely Songs」「ちょっとラブソング」まで一気に突っ走った。いずれもベストと呼べる仕上がりで上機嫌の二人であった。

■2004/08/21
急ピッチで進められる録音作業はいよいよ天王山。この日は久々に全員集合で、山口ボーカル曲7曲に橋本&森岡のコーラスを一気に入れてしまうという段取り。すでに“アコ・バー”という見本がある「免許をなくすな!っていうブルース - エレ・バー」、森岡必殺の“ナナナナナァ〜”も炸裂した「結局薬局放送局」さらに「二階から目薬」と作業は順調に進んだが「人生はスパイス」で少しつまづき「ワーカーズ魂」で緊急停止! 結局予定を消化できず3曲が積み残しとなってしまった(実際には盟友・上南雅博にベースでのゲスト出演を頼んでいる「結局薬局放送局」も完成ではない。でもRUG的には完成?)。一方では第三次課題曲が決定し課題曲総数は34曲に確定。ここに来て“年内の完成は難しいか..”(山口)といった弱音も聞こえはじめる...。

■2004/09/20
ここにきてようやく新作のタイトルが『ミート・ザ・リザルト!』に仮決定され、基本的な曲順も策定された。そのあたりを受けてこの日は録音ではなくミーティングということで全員集合となる。しかしそこはフェイント大得意の森岡。突然2曲ばかり歌う、と言いだし急遽録音が開始された。まず「いまも暮らす町」のボーカルをやっつけ、続いていかにしてダイア・ストレイツの雰囲気に近づけるかが課題となっている「狼たちの午後」のエレキ・ギター、さらにボーカルを録音した。特に後者はその課題を99%近くクリアした感動の仕上がりで他の二人から大絶賛を浴びた。

■2004/09/26
なかなか時間が確保できず焦るメンバー達... しかしこの日はそのマイナス分を補ってあまりある成果があがったと言える。この日は前回森岡の素晴らしいボーカルに刺激を受けた橋本が録音作業を行った。まずは「いまも暮らす町」で素晴らしいエレキ(ソロ)を聴かせ、さらに「狼たちの午後」でもマーク・ノップラー(ダイア・ストレイツ)もびっくりのエレキ(ソロ)を披露。かくしてこの2曲は第二次課題曲としては最初のコーラス待ち曲となった。さらにカントリー風の「いつもヒーロー」、ジャズの雰囲気を出すのに腐心した「デイ・バイ・デイ」、激しいレゲエ風のカッティングに手がつってしまったという「僕は嘘つき」と軽快にエレキのパートを消化、最後はアコースティック・ギターで「嵐を呼ぶワーカーズ」のバッキングをクリア、この日の録音を終えた。またこの日第三次課題曲のバックトラックを納めたCDが手渡されるなど、新作の年内完成を目標にした作業が着々と進められた。

■2004/09/29
時間が足りない問題を緩和すべく、この日は平日でありまた折から台風の直撃が噂されるにもかかわらず森岡と山口により録音作業が実施された。まずは山口が自分で決めたキーで歌いきれず仕方なくキーを変更した、という情けないことになっている「気象」の録り直し(森岡エレキ・ギター+山口ボーカル)を実施。さらに森岡が苦手のエレキを結構うまく弾きこなしてみせた「ユー・ディスライク・ミー」(山口ボーカル同時録音)、アコースティック・ギターに持ち替え水を得た魚のようになった「いつもヒーロー」、「クリスマスのワーカーズ」「嵐を呼ぶワーカーズ」と一気に畳みかけた。特に最後の「嵐を呼ぶワーカーズ」では山口がイントロでソロをとるよう要求したり、山口邸に住まう愛犬ジュ〜ンがドアをスクラッチして乱入するなど混乱が見られたがなんとか無事録音を終えることができた模様である。尚、この日の録音を終えた森岡は“早く新作を完成しないと、次なる作品集は100曲ぐらいの中から選曲する、なんていうことになるやも知れない”というコメントを発表した。

■2004/10/09
この曲の録音に消極的な橋本を後目に山口が単独で「白装束集団、現る」のエレキ・ギターをテスト的に録音(結局気合いの入っていない橋本によりこのテイクが本採用される..)。

■2004/10/10
台風にも負けず強烈な歯の痛みにも耐え、この日は橋本が録音を行った。“キーが変わったんか?”ととぼけながらエレキで哀愁のメロディを連発した「気象」を皮切りに、ギターソロのみの録音だった「僕は嘘つき」(このソロは実際には“テープの逆回転”という手法で再生された)、橋本自身が大いに気に入っているらしい「欠乏」のエレキ(ソロ)、異常に重たい演奏となった「ユー・ディスライク・ミー」のエレキ(ソロ)と録音作業は続いた。最後は12弦ギター風の演奏を工夫した(そして結構はまりまくった)「恋にまいって」を何とか録り終えこの日は終了。“逆転V(新作の年内完成)の可能性が出てきた。次回は森岡を迎えて10/23、頑張ろう!”がこの日締めくくりの橋本のコメントであった。

■2004/10/19
何故か平日の朝、山口が単独で「白装束集団、現る」のボーカルを短時間のうちに録音。

■2004/10/23
事前に森岡より“くそ! 撃ちやがった!! ああ、痛えよ〜。俺の…傷はどうだ? 何か言ってくれよ…死にたくね〜よ。つ、伝えてくれ…RUGの奴等に…。お、俺は最後まで…最期までパンクだったってよ…。…(ガクッ)”というメールが発信された。要するにフェイント弾が炸裂したらしく、その結果“この日はコーラスの録音だけ〜♪”と気楽に構えていた橋本にとばっちりがまわり、急遽第三次課題曲を対象とした橋本のギターの録音が実施されることとなった。「ヒューマン・ソング」「この年を忘れる会」「ニュー・イヤー・ビート」とソロパートのない曲を片づけた他、ちょっとしたソロパートがある「ウ〜ア」「妄想の妄想」の2曲も強引に録音(「ニュー・イヤー・ビート」「ウ〜ア」「妄想の妄想」については山口のボーカルも同時録音)。ドタバタながらも計5曲を消化できたのは二人の強い意志の賜物だったと言える。

■2004/10/24
山口が単独で「ニュー・イヤー・ビート」のもう一本のエレキ・ギターを録音。

■2004/11/06
今年も残すところあと2ヶ月というところで全34曲のうち完成しているのは10曲という厳しい状況を打破すべく山口より究極的な予定表が他の二人に発信された。その第一弾としてこの日は橋本が録音を敢行。今日でもって新作における自分のギターパートを全て完了する、という強い意志で「魔法」のエレキのバッキングをまず片づけ、「クリスマスのワーカーズ」の軽いソロ付きエレキ、今イチ気乗りのしないこれまた軽いソロ付きエレキ「白装束集団、現る」と順調に消化。さらにこちらは結構気合いが入ったエレキ(ソロ)の演奏を山口のボーカルと同時録音で「ワンデイ・トリッパー」まで完了した。しかし残すは「君の心に」1曲のみ!というところでギブアップ宣言... 素晴らしいギターがイメージできたのだが、そのとおり演奏できない!というのがその理由。しかしそれでもかなりの躍進であり年内完成の可能性を十分残したと言える。

■2004/11/13
悲壮な決意で臨む予定第二弾ということで全員が集合、後に“偉大なる一日”と呼ばれる録音作業が開始された。まずコーラス待ちになってから6ヶ月ぶりに登場の「序曲」、5ヶ月ぶりの「後悔」のコーラスを橋本&森岡が録音。さらに前回ずっこけてしまった「ワーカーズ魂」もやっつけ完成曲が13曲に! またここからは森岡&山口のダブルボーカル同時録音「いつもヒーロー」「僕は嘘つき」、さらに森岡単独のボーカル録音で「恋にまいって」「クリスマスのワーカーズ」「デイ・バイ・デイ」「嵐を呼ぶワーカーズ」、もひとつおまけに森岡のハープで「欠乏」「僕は嘘つき」、ダメ押しは森岡のエレキ・ギターのバッキング「ワンデイ・トリッパー」と“やれば出来る! やらなければ出来ない...”という怒濤の11曲の録音を予定どおり終了した。俄然盛り上がるRUGの三人! しかし...

■2004/11/22
この日は平日ながら森岡を迎えさらなる躍進を遂げる段取りだったが、やっぱりフェイント弾が爆発、死者多数... 11/20に予定していた橋本関係の録音も彼が上海に音楽事情視察?に行ってしまったため実施できず早くも予定は崩壊、見直しせざるをえない状況に追い込まれる。一方アメリカ大統領選の結果を踏まえて山口が突発的に「結果:286−252」というサウンドコラージュ作品を制作する。

■2004/11/28
修正案に基づき起死回生を図るべく橋本と山口により録音作業が実施された。まずは森岡ボーカル曲に対するコーラスの録音を一気に片づけよう、ということで「狼たちの午後」「いまも暮らす町」「クリスマスのワーカーズ」「恋にまいって」「デイ・バイ・デイ」「嵐を呼ぶワーカーズ」の6曲を仕上げ、さらに橋本単独で「いつもヒーロー」「僕は嘘つき」のコーラス録りを完了。いずれも当日詳細を打ち合わせた上作業に入ったがまぁまぁ納得できる仕上がりで、特に「恋にまいって」は橋本より“今日イチ(=今日一番の出来)”宣言がなされた。この後、橋本のギターパートで唯一残っている(そして新作全体を展望しても唯一手つかず)の「君の心に」のエレキ・ギター(ソロ)の録音が始まったが、こちらは残念ながら時間切れ... 一応バッキングとソロの前半のみ完了?というおもしろい状態で次回に持ち越しとなった。それでも新作の完成曲が21曲となり大いなる躍進であることは間違いない。

■2004/12/04
起死回生を図る第二弾として全員が集合、後に“続・偉大なる一日”と呼ばれる録音作業が開始された。この日はとにかくボーカル関係ということで、まず“バンザイ突撃やーっ!”とやけくそ気味の森岡が単独でリード・ボーカルを4曲、「君の心に」「ヒューマン・ソング」「魔法」「この年を忘れる会」をやっつける。さらに橋本&森岡によるコーラス録音で「気象」「欠乏」「ユー・ディスライク・ミー」「ワンデイ・トリッパー」の4曲が完成。特に「ワンデイ・トリッパー」は第三次課題曲からの完成第一号となる。さらに「白装束集団、現る」「妄想の妄想」「ニュー・イヤー・ビート」「ウ〜ア」までクリア(尚、これら4曲はまだ森岡のアコースティック・ギターの録音が残っている)。さらに橋本&森岡で「結局薬局放送局」のミステイク・バージョンのセリフも録音、上南の登場を待つことになった他、橋本退出の後、森岡&山口により「魔法」のアコースティック・ギター&鳴り物(灰皿?)&かけ声(?)の録音も実施された。急ピッチで進められる新作の録音、果たして年内に完成を見るのか???

■2004/12/11
起死回生を図る第三弾として橋本と山口により録音作業が実施された。この日は「君の心に」の橋本単独によるギターソロ(ただしソロの後半のみ録音。前回録音済みの部分とはミキシング技術で切り貼りされた..)および橋本・山口によるコーラス、「ヒューマン・ソング」「魔法」「この年を忘れる会」のコーラスが録音された。わずか4曲分の作業であり、いずれもまだ完成の段階にはなっていない。しかし時間的制限のある中で短時間に録音をこなし、結果として“全曲のコーラス完了”“橋本のギターパート全て完了”“山口の全パート完了”といった成果が残ったため、この日の録音は“新・偉大なる一日”と認定された。これであと一息!と最終コーナーを一気にまわったRUGだったが...。

■2004/12/19
起死回生を図る最終回として設定された日程だったが、森岡が教会のクリスマス会がある、と言いだし厳しい状況に追い込まれた。しかし橋本の予定を考えると後がなく、かなり無理な時間割の中で録音作業が実施された。だが当日いきなりギターを忘れてきた森岡... それでもまず橋本が虫ピンケース、森岡がソロバンにより「魔法」を賑やかに片づけた後、山口のギターを借りた森岡が猛ダッシュ! わずか2時間弱の間に「君の心に」(これでRUGとしてのパートは完了。上南のベースを待つ段階となる)、「ヒューマン・ソング」「妄想の妄想」「ウ〜ア」「ニュー・イヤー・ビート」と軽快に片づける。「この年を忘れる会」ではかなりしどろもどろとなりつつも何とかしのぎ、最後は「白装束集団、現る」を一気にやっつけ新作における全てのRUGパートの録音を完了した。かくしてこの日の録音は“最後の偉大なる一日”として記録された。RUG的には年内という目標を達成した(=結果を出した)わけで、あとは上南の録音がいつ実施できるかに注目が集まる。だが彼の行方はこの時点では不明である...。

■2005/2/27
結局薬局放送局」「君の心に」の二曲について盟友・上南の客演が期待されていたがスケジュールが合わずずるずるここまで来てしまった。かくして“苦渋の決断”が行われ、上南の演奏を含まないテイクを正式版として新作に収録することに決定(しかし上南の予定が許せばその時点でレコーディングを実施、シングルなどの形でリリースする予定だと言う)、かくして新作『ミート・ザ・リザルト!』は3月1日をもってリリースされることとなった。

■2005/2/28
新作リリース前日になって突然上南と連絡がとれた。3月後半には録音が可能になりそうだと言う。かくしてメンバー全員に“緊急動議”がメールにて発信された。ここまで引きずったついでなのでリリースを延期し上南の演奏を含んだ形で新作をリリースするのか、はたまた前日の“苦渋の決断”どおりで突き進むのか ... ? 意見は分かれたが民主的に前者の意見が採用となり、新作のリリースは延期となった。心待ちにしていたファンに向けて公式サイト上で謝罪が行った他、シングル「石」だけを予定どおり3月1日にリリースした。

■2005/3/20
ついにゲストである上南のベースが録音されることになり、RUGからは山口が立ち会った。まず「結局薬局放送局」を無難に片付けた後、かなり苦労をしつつも「君の心に」もクリア、これで新作の録音予定は満了となった。かくしてようやくファンもメンバー達自身も待望の新作『ミート・ザ・リザルト!』は完成したことになり、急遽3月27日のリリースが発表された。めでたし、めでたし...。

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■パーソナル
ボーカル/コーラス .... リード・ボーカルは基本的に森岡・山口のいずれかが担当している(「いつもヒーロー」「僕は嘘つき」の2曲は二人によるダブルボーカル)。また森岡がリードをとるときは橋本と山口、山口がリードをとるときは橋本と森岡がコーラスを担当(尚、二人のダブルボーカルのときは橋本が単独でコーラスを入れている)。前作同様、本作も森岡→山口→森岡→山口... というように曲順に沿ってほぼ交互にリードボーカルが入れ替わる形になっているが、今回はたまたまそうなってしまったらしい。また「二階から目薬」では森岡がリード、山口がアシスタントでRUG初のラップにチャレンジしている。

ギター .... まずエレキ・ギターだが前回は大半の曲でストラトキャスターを弾いていた橋本は今回全曲でフライングVを使用している(「恋にまいって」の12弦ギター風の音はエフェクトによるもの。実態はやはりフライングVである)。森岡と山口は前作同様、山口のセミ・アコ・タイプ335を使用。アコースティック・ギターは基本的に三人それぞれ自分のものを使用しているが、最後に録音された数曲のみ森岡は山口のギターを借用している(あろうことか自分のギターを忘れてきたため...)。尚、ギターソロは1曲を除き全て橋本、「嵐を呼ぶワーカーズ」のイントロのみ森岡が担当。また「僕は嘘つき」できかれるギターソロは普通に弾いた演奏をパソコンに落とし反転させた上で復元したもの。いわゆる“テープの逆回転”という手法を再現している。

キーボード .... キーボード系の音は全てパソコン/MIDI音源/MIDIキーボードにより演奏された。尚、「愛しき詩たち - My Lovely Songs」のピアノのみ橋本が演奏、他は全て山口。また「結局薬局放送局」や「この年を忘れる会」に登場するブラス、「人生の雨の日」にきかれるバイオリン、「掟の世界」のティンパニの音色も山口によりキーボードと同様の仕組みで生み出されている。

ハープ .... ハープの音は全て森岡による生の音である。前作では1曲だけの登場だったが本作では「免許をなくすな!っていうブルース - アコ・バー」でソロをとっている他、「欠乏」「同エレ・バー」「僕は嘘つき」でバッキングに使用しているのが新機軸。

サックス .... 今回山口によりデジタル・サックスが導入された。普通のサックスと同じ構造だが出した音を電子的にパソコンに取り込むことができるというもの(いわゆるMIDI楽器である)。「掟の世界」「デイ・バイ・デイ」の2曲で使用されている。

その他 .... リズムトラックはMIDI音源に用意されている通常のドラムセットを使用、山口が作成(「デイ・バイ・デイ」のみジャズ用のドラムセットを選択)。ただし「魔法」では“鳴り物”と称して橋本が虫ピンケース、森岡がソロバン、山口が灰皿を使用、生の音で演奏に華(?)を添えている。また楽器ではないが「ワーカーズ魂」に挿入される電話の音、書類をガサガサする音(会議風景?)、上司が叱責する声(?)は山口が生録したものを組み合わせて作成した模様。尚、本作では「結局薬局放送局」「君の心に」の二曲で音楽仲間である上南雅博がベースで友情出演、フェンダー・プレジョンベースによる素晴らしいプレイを聴かせてくれている。

■録音機材
本作も基本の部分は前作と同様である。一番ベースとなる音作りはノートパソコン/シーケンサーソフト/MIDI音源/MIDIキーボードを組み合わせて行われた。ドラムスはちまちまと打ち込みし、ベースとキーボード系の音は鍵盤キーボードからの入力であった(山口が演奏するサックスはそれそのものがMIDI楽器なので、この段階で取り込まれている)。前作が大ヒットしたにもかかわらず依然金欠のためMIDI音源は相変わらず旧機種を使い続けている。パソコンも前作当時とかわっておらず、相変わらず頻繁にフリーズする悲惨な環境の中作業が進められたとのこと。

この段階以降は本作から導入された新兵器が威力を発揮している。新兵器は8トラック・デジタルレコーダー。録音された音はコンパクト・フラッシュ(小型のメモリーカード)にデジタル的に記録され、その内容はパソコンでバックアップすることができる。同時に再生できるトラック数は8トラックということで、バックトラック(彼らが言うところの“下音”)は内2トラックに記録されたがまだ6トラック余ってる!という優れもの。前作ではバッキングの録音が完了した時点で一度ミックス・ダウンし、改めてボーカル/コーラスを録音していたが、今回はバックトラック×2、ボーカル、コーラス1、コーラス2、橋本のギター、森岡のギターで合計7トラックを使用し、残りひとつを効果音やら、ラップやら... といったものに使用。前作の時みたいに録音する順番に制限がないので、ギターのバッキングとボーカルを同時に録音したり、スケジュールの都合上先にコーラスを録音し後でギターを追加する、といったことも出来てしまい大助かりであった。さらに (1) エコー機能がありボーカル、コーラスだけでなくアコースティック・ギターなどにも活用できた (2) ボイスエフェクト機能があり声質を変化させることで作品に大きな変化を与えることが出来た(「愛しき詩たち - My Lovely Songs」「二階から目薬」で活用) (3) ギターエフェクト機能もあり一部で使用した(「恋にまいって」の12弦ギター風サウンドなど) (3) 同時再生を考えなければ合計64トラック(!)の録音が出来るため別ミックスや別バージョンの副産物が誕生した (4) 音がデジタルで記録されるため継ぎ接ぎが簡単! 難しい曲は何回かに分けて録音し組み合わせることが出来た .... もちろん弱点もある。マイクを使用した録音は一度にマイク一本に制限されている。やはりコーラスは2人同時に録音したい。仕方なく友人の上南から借りパク中の4トラックレコーダーをミキサーがわりに使用、ライン経由でその問題を解決した。また1枚のコンパクト・フラッシュに録音できる曲数は限られるが、それ自体が高価であるためカセットテープなどのようにたくさん用意してとっかえひっかえ、という訳にはいかない。結局録音が終わったらすぐにパソコンに取り込み、次の曲を入れ直し... といった面倒が発生した。だが利点を考えれば十分耐えられる面倒ではあったが。

これで完成した最終トラックはMDにミックス・ダウンされる。ここからは再びパソコンの世界。オーディオ・キャプチャーと言うパソコン用周辺機器を介してパソコンに作品を取り込む。ソフトは機器に添付されてきたものを使用、MDから光ケーブルで来た信号をWAVファイルとしてハードディスクに記録する(相変わらず原因不明の音飛びに悩まされるが何回かやり直せば大抵は自然解消?される)。後はCD−Rメディアに音楽CD形式で焼き付ければ新作が完成という段取りである。

■ジャケット作成
新作制作開始当初は前作で見送りとなった案(=伝説的なファースト・アルバムのジャケット写真と同じ場所、同じ構図で撮影を行う)の方向だったが、はちゃめちゃなサウンド・プロダクションになり始めイメージが合わなくなってきた。かくしてこの案はまたしても没となる。一方新作制作が進むなかで“結果を出せ!(ミート・ザ・リザルト!)”が合い言葉になり、いつの間にかタイトルに仮決定された。ミート・ザ・リザルト! → ミート・ザ・ビートルズ → ウィズ・ザ・ビートルズ ... という連想の結果、ビートルズの有名なジャケットのパロディで行く案が浮上。結局11月13日、陽が落ちてから近くの寺(!)の真っ暗な入り口で三人分の顔写真を撮影した。またビートルズは4人、RUGは3人、ということでバランスが悪いためいつもレコーディングをのぞきに来る山口邸の愛犬ジュ〜ンの顔も加えられ(?)、パソコンにより合成された結果新作のジャケットが完成に至る。尚、再び没となった案は次回こそ採用する!という不退転の決意の元に温存されることとなった...。

ご拝読、ありがとう。では中身の方もお楽しみ下さい。