The Meaning Of "Themeless" ? Meaning ? CONTENTS MAKING PROCESS IMPRESSION BY Y.GOTO

『テーマレス』 ※ジャケットデザイン:奥井弘毎回何らかのテーマを定めて作品作りを続けてきた洛東UNDERGROUNDだが、今回は“テーマがない”ことをテーマに据えた作品集をリリースしてきた。新たに書き下ろした曲もあれば未発表曲、カバーやセルフカバー有り、さらに孫の誕生を祝って書いたというユニークな曲まで収められている。そんな作品集のタイトルはズバリ『テーマレス』。

しかしそれにしても完成まで多くの時間がかかった作品集である。録音が開始されたのは2022年5月、最後の録音が行われたのは2024年10月と記録されているが橋本が本作用の新曲を発表したのが2021年10月とされているので制作に3年かかった計算になる。この間にいろいろな出来事があって頻繁に録音は中断されたようである。

しかしそうは言っても洛東UNDERGROUNDの新作であるという事実はなんら変わることはない。毎度お馴染みの素晴らしいジャケットデザインと合わせてお楽しみ下さい。

Contents Of "Themeless" Meaning ? CONTENTS MAKING PROCESS IMPRESSION BY Y.GOTO

まずは収録曲、簡単な曲目紹介を行う。
尚、曲順はオープニング/ラスト2曲の計3曲を除き電子サイコロを振って決められたという...

1.今日もまた地下鉄に乗る Also Today Take A Subway (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
 M.Morioka ...... Lead Vocal / Acoustic Guitar
 A.Hashimoto .. Chorus / Acoustic Guitar (Solo)
 M.Johnan ....... Bass
 T.Yamaguti ..... Chorus / Acoustic Guitar / Piano / Strings / Rhythm Programming

本作のために書き下ろされた4曲のうちの1曲。山口はこの発表デモを聴いてオープニング・ナンバーとして配置することを即断したらしい。ダブルボーカルを駆使する森岡、小刻みなベースランを挿入する上南、愛器オベーションで印象深いソロを奏でる橋本。曲、演奏とも素晴らしい1曲。尚、この曲の歌詞は橋本の日々の副業生活を描いており、前作収録の「ため息」の続編的意味合いを持っている。

2.お買い物 Shopping (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
 T.Yamaguti ..... Lead Vocal / Electric Guitar / Organ / Synthsizer / Rhythm Programming
 M.Morioka ...... Second Vocal / Acoustic Guitar
 A.Hashimoto .. Chorus / Electric Guitar (Solo)
 M.Johnan ....... Bass

本作のために書き下ろされた4曲のうちの1曲。“何はともあれ買い物だ”みたいな意味不明な歌詞になっているが、曲の方は軽快なロックに仕上がっている。尚、発表当初に山口が一部のコード進行を勝手に変更したため内部で紛争が勃発したが最終的には橋本により調整されこの録音の形になったと言う。またコーラスには一時“マツヤスーパー、シマムラ〜”というフレーズが検討されたが“これはそういう類の買い物ではない!”という山口により却下されたらしい。

3.ヨコハマ・ブルー Yokohama Blue (Words and Music By A.Hashimoto)
 M.Morioka ...... Lead Vocal / Acoustic Guitar
 A.Hashimoto .. Chorus / Electric Guitar
 M.Johnan ....... Bass
 T.Yamaguti ..... Chorus / Acoustic Guitar / Strings / Rhythm Programming

2011年に橋本が書いたもののお蔵入りになっていた曲である。皆で横須賀に旅した時の印象をベースにしたラブソングとなっている。当初は英語バージョンでの録音が予定されていたが途中で日本語バージョンに変更された(日本語バージョンがオリジナルらしい)。長尺な演奏にもかかわらずダレず聴かせるあたりRUGの進歩を感じさせる作品。

4.子供は風の子 A Kid Is Wind Child (Words and Music By M.Morioka)
 M.Morioka ...... Lead Vocal / Kazoo / Acoustic Guitar
 A.Hashimoto .. Chorus / Electric Guitar
 M.Johnan ....... Bass
 T.Yamaguti ..... Chorus / Electric Guitar / Piano / Rhythm Programming

なんと1978年に森岡が書いたという作品。実際のところは彼がアコースティックギター一本で疾風の如く歌う当時のデモが洛東解放戦線名義で発表されているのだが、今回はRUGとしてリメイクすることになった。ここでは森岡が少年時代にプールで聴き馴染んだメロディをカズーで演奏している。後にそのメロディはハワイアンの「タフアフアイ」という曲であることが判明。まるで直訳の曲名といい、いかにも森岡らしい他のメンバーにはマネできない独自性を持った曲である。

5.真夜中の旅人 Midnight Tripper (Words and Music By A.Hashimoto)
 M.Morioka ...... Lead Vocal / Acoustic Guitar
 A.Hashimoto .. Chorus / Electric Guitar (Solo)
 M.Johnan ....... Bass
 T.Yamaguti ..... Chorus / Electric Guitar / Organ / Synthsizer / Rhythm Programming

これも発表が古い曲である(2004年1月と記録されている)。復帰後第三弾作品集「バック・トゥ・ザ・プレイス」の候補曲として発表された。橋本のギターソロも非常に渋いブルージーな作品だが、恐らく当時は素晴らしい曲(パンク度5とされた「七色の星をつかめ」など)が他に大量に発表されたためボツになってしまったと思われる。また歌詞の方も橋本らしい思索的な内容なので是非ご確認いただきたい。

6.GGズ・メドレー
  Lovely Daughter's Baby
(Words and Music By M.Morioka)
  / Sound Boy (Words and Music By T.Yamaguti)
 M.Morioka ...... Lead Vocal / Acoustic Guitar
 T.Yamaguti ..... Lead Vocal / Electric Guitar / Strings / Synthsizer / Rhythm Programming
 A.Hashimoto .. Chorus / Electric Guitar (Solo)
 M.Johnan ....... Bass

実際は今回2曲の別の曲をメドレー形式にして録音している。1曲は山口に初孫が生まれた時に森岡が書いて贈った「愛しい娘の子、我が孫」、もう1曲はそんな森岡にも孫が生まれた時に山口がお返しに贈った「音の子」。RUGの活動とは全く別のところで誕生した曲であるがなかなか品質が高い。またこれを壮大なポップソングに仕上げたRUGのセンスには敬意を表したい。ちなみに森岡と山口はこれをビージーズならぬジージーズ名義で発表しよか?等と言っていたらしいが黙殺された模様。

7.お願いだから Please (Words By T.Yamaguti / Music By M.Johnan)
 T.Yamaguti ..... Lead Vocal / Acoustic Guitar / Electric Piano / Strings / Rhythm Programming
 A.Hashimoto .. Chorus / Acoustic Guitar (Solo)
 M.Morioka ...... Chorus / Acoustic Guitar
 M.Johnan ....... Bass

上南が1995年に書いたとされる未発表曲。非常に味わい深い作品であり、ここではアコースティック主体でボサノバ・タッチに仕上げている。特に橋本の素晴らしいギタープレイが注目である。書かれた年代から見て成吉Communication Clubとして活動していた頃に書かれたと思われるが、上南自身は全く記憶にない、などと意味不明なことを言っている。

8.みどり虫 vs ワーカーズ Workers Against Greenmen (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
 T.Yamaguti ..... Lead Vocal / Electric Guitar / Organ / Rhythm Programming
 A.Hashimoto .. Chorus / Electric Guitar (Solo)
 M.Morioka ...... Chorus / Acoustic Guitar
 M.Johnan ....... Bass

激しい雨の中、得意先の店の前にわずか数分駐車しただけで駐禁をとられたーっ... 「今日もまた地下鉄に乗る」の歌詞でも言及されている橋本の実体験を取材して書かれた歌詞に橋本が怒りを込めてメロディをつけた曲。Greenmen とは駐禁摘発業務の委託を受けた民間企業の監視員?のユニフォームに由来する。なんともえげつないコーラス?にも被害者?としての怒りが充満しており、橋本曰く“こういうろくでもない出来事についての曲はシャッフルに限る”のだそうである。

9.未来のラブソング Next Love Song (Words and Music By M.Johnan)
 M.Morioka ...... Lead Vocal / Acoustic Guitar
 A.Hashimoto .. Chorus / Acoustic Guitar (Solo)
 M.Johnan ....... Bass
 T.Yamaguti ..... Chorus / Electric Guitar / Piano / Organ / Rhythm Programming

作詞・作曲とも上南が手掛けた曲で1990年に書かれ成吉Communication Clubの作品集「ハーモニーズ」の終曲として発表されている。今回これをカバーするに当たってアコースティック主体でいこうということになった。重厚な上南のベースに乗って森岡が味わい深いボーカルを、橋本が鮮やかなギターソロを披露してくれる。尚、さすがに上南もこの曲についてはしっかり記憶が残っているようである。

10.9時の雨(さよならジョン・ウエイン) Rain At Nine (Good-bye John Wayne)
  (Words By T.Yamaguti / Music By H.Okui)
 M.Morioka ...... Lead Vocal / Harp / Acoustic Guitar
 A.Hashimoto .. Chorus / Electric Guitar (Solo)
 M.Johnan ....... Bass
 T.Yamaguti ..... Chorus / Electric Guitar / Piano / Strings / Rhythm Programming

初期のRUGで演奏された記録が残るデザイナー奥井弘1980年の作品。当初RUGのメンバーからボーカルを頼むと言われたが奥井が固辞したため森岡がボーカルを担当している。この曲についても山口が勝手にスローテンポのアレンジを採用したため森岡が怒りしばし事態が紛糾、最終的にはオリジナルに近いアップテンポで録音することになった。こういうカントリーポップ風の作品は森岡の軽快なハープを待つまでもなくRUGの得意とするところであり実に楽しくまとめている。

11.一喜一憂 Alternate Hope And Fear (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
 T.Yamaguti ..... Lead Vocal / Electric Guitar / Piano / Organ / Rhythm Programming
 A.Hashimoto .. Chorus / Electric Guitar (Solo)
 M.Morioka ...... Chorus / Acoustic Guitar
 M.Johnan ....... Bass

2012年に発表されたまま未発表となっていた作品。当時橋本が発表した楽曲「右往左往」(「アップサウス・マウンテンマウス・ブルース・バンド」収録)に影響された山口が書いた歌詞がついているがたいした内容ではなく、一方で曲の方は全員で一気に突っ走る分かり易いロックンロールに仕上がっている。これもまたRUGの得意のパターンと言っても過言ではない。

12.普通のうた An Usual Song (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
 T.Yamaguti ..... Lead Vocal / Electric Guitar / Organ / Rhythm Programming
 A.Hashimoto .. Chorus / Electric Guitar (Solo)
 M.Morioka ...... Chorus / Acoustic Guitar
 M.Johnan ....... Bass

こちらは2013年に発表されたまま未発表となっていた作品。作曲者・橋本によるとレッド・ホット・チリ・ペッパーズの雰囲気を意識して書いたという。歌詞の方は“朝から晩まで普通に働き詰める男が歌う普通の歌”というコンセプトで書かれている。ポップな面が常々話題になるRUGだがこういった曲を聴くとロックバンドとしても着実に進歩しているように感じられる。

13.シーソーゲーム Seesaw Game (Words By Y.Ono / Music By Tanka)
 M.Morioka ...... Lead Vocal / Acoustic Guitar
 A.Hashimoto .. Chorus / Electric Guitar (Solo)
 M.Johnan ....... Bass
 T.Yamaguti ..... Chorus / Electric Guitar / Synthsizer / Rhythm Programming

この曲は書かれたのは1978年に遡る。同じ洛東高校生で音楽仲間のタンカこと田中聡が書いた不滅の名曲。この素晴らしい曲をいかにしてRUG的にまとめるか?というミッションにおいては橋本の編曲センスが大きく物を言うこととなった。ダブルトラックで録音された橋本のギターソロ、やはりダブルトラックで録音された森岡のボーカル、着実にリズムを刻む上南のベース... 当初はタンカにボーカルを担当してもらおう、という話も出ていたが現時点では連絡が取れていないらしく仕上がりについての感想も聞けていないとのこと。しかしきっとこの仕上がりなら大いに喜んでもらえると思う。尚、恐らくメンバー外の人物が書いた曲を採用すること自体初めての試みであった。

14.素晴らしき哉、第二の人生 Fine Time Second Life (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
 M.Morioka ...... Lead Vocal / Acoustic Guitar
 A.Hashimoto .. Chorus / Acoustic Guitar (Solo)
 M.Johnan ....... Bass
 T.Yamaguti ..... Chorus / Acoustic Guitar / Electric Piano / Strings / Rhythm Programming

本作のために書き下ろされた4曲のうちの1曲。山口はこの発表デモを聴いてエンディング・ナンバーとして配置することを即断したらしい。いち早く副業先から退職となった森岡を主人公とした歌詞が用意されている。“朝から牛丼店に行き、孫に癒され、夜は映画館で映画を観る”という内容に森岡は“まるで見られているようだ”と言ったらしい。しかし大いに気に入った彼は味わい深いボーカルを聴かせてくれる。“テーマがない”とは言えひとつひとつの曲にはテーマがある訳でそういった点では締めくくりにふさわしい一曲と言える。

Making Process Of "Themeless" (For A Long Time) Meaning ? CONTENTS MAKING PROCESS IMPRESSION BY Y.GOTO

またしても長い時間を要した『テーマレス』の完成への軌跡...

2021/07/17
この日、制作に長い時間がかかった前作「525...」のお披露目会が上南邸にて開催された。この時点で橋本より“さてお次は『テーマレス』ですね。ある意味掴みどころのない雰囲気ですが、それはそれで気楽にやりましょう!”というコメントが出されている。しかしすでに7/11時点で山口によりメンバー専用の音源チェックサイトが更新され、早くも11曲の候補曲がアップされていた、という情報もある。

2021/10/09
世間ではコロナウイルスによる緊急事態宣言が解除され、RUGもまた会合を開催(上南邸)。橋本曰く“この日のメインテーマは次作『テーマレス』について。私と山口君でここ1ヶ月ぐらいで新曲発表、下音確定をすることとなりました”。

2021/10/17
橋本が愛器オベーション持参で山口邸を訪れ新曲発表を行った。発表されたのは「今日もまた地下鉄に乗る」「素晴らしき哉、第二の人生」「お買い物」「みどり虫 vs ワーカーズ」。尚、橋本は新曲発表について“これが一番恐怖の瞬間なんや!”と言っている...。

2021/11/21
この日、橋本と森岡が山口邸を訪れ『テーマレス』制作会議が行われた。どうやら山口が制作する下音がどれもこれもピント外れに感じたための開催らしい。この日の内容を受けて山口の方で下音の再整備を行うことになる。尚、この日森岡の新曲「子供は風の子」の途中に挿入されるメロディの出所が判明! どうやらハワイアンの楽曲「タフアフアイ」という曲らしい。

2021/12/30
RUGの恒例行事、忘年会が開催された。しかし本件については橋本より“まず来春『テーマレス』頑張りましょう!”というコメントがさらっと出されたのみであった。

2022/04/09
忘年会から早や4ヵ月、すっかり音無しの構えだったRUGだが、この日“アイリッシュウイスキーを楽しむ会”と称して上南邸に集合。『テーマレス』については森岡、山口により「今日もまた地下鉄に乗る」「素晴らしき哉、第二の人生」「子供は風の子」の3曲を手始めに録音することが発表された。リーダーである橋本からは“3年ぶり?の録音である。最初は調子が出ないかもしれないが頑張って勘を取り戻すように!”と檄が飛んだ。

2022/05/22
4月の予告どおり森岡と山口によりボーカルの録音が実施された。橋本の檄の効果か、まずまず順調なスタートと思われた。

2022/06/25
さらに森岡・山口によるボーカル録音が行われた。森岡は一時期メニエール病で倒れていたという噂が流れていたがこの日は大変元気に職務をこなした模様。

2022/07/03
橋本が山口邸を訪れ『テーマレス』関連の活動が行われた(山口のギターを借りてマイクに向かう姿が写真に記録されている。後に日本語でいくことになった「ヨコハマ・ブルー」のデモを録音したことが明らかになる)。尚、橋本はその1週間ほど前にRUG内で言うところの“Gone Waist”(キツイ腰痛)に見舞われていたらしいがこの時点では快方に向かっている様子。

2022/07/18
またしても森岡と山口によるボーカル録音が行われた。ここまではかなり快調なペースで進んでいた『テーマレス』の録音だったが好事魔が多し... その後二人がコロナウイルスに感染したという情報が飛び交った。山口が娘一家からうつされそれを森岡にうつしたと思われる。ちなみに山口がしきりに陽性かどうかわからない、と言うのに対し森岡は“陽性!陽性!陽性!”と叫んだとのこと。

2022/08/13
恒例行事、お盆の会が開催されデザイナー奥井弘も参加、ビートルズのアルバムジャケットをモチーフにした『テーマレス』のジャケット案が多数提示された。最終的にはCD『テーマレス』はすべての基本デザインを取り込んでリリースされることになる。

2022/09/18
しばらく鳴りを潜めていた通称・演奏隊の橋本と上南が録音を行った。『テーマレス』のメインとなる2曲「今日もまた地下鉄に乗る」「素晴らしき哉、第二の人生」のギター、ベースパートが完成した模様。尚、上南が体力低下を訴えたため今回は上南邸で録音が行われている(山口が機材持参で出張)。

2022/09/23
続いて森岡と山口がボーカルの録音を実施。5ヶ月で4回目となる快調ペースで、『テーマレス』はすぐに完成するなー!と楽観ムードが漂う。

2022/10/15
歌唱隊(森岡、山口)に負けじとこの日、上南邸にて演奏隊の録音が行われた。上南が書いた2曲(「未来のラブソング」「お願いだから」)が録音されたようである。

2022/11/20
再び上南邸にて演奏隊が録音を実施。だいたい一回あたり2曲が仕上がるペースであり、恐らくこの時点で『テーマレス』は6曲がコーラス待ちにラインナップされているはずである。尚、年内の音楽活動はこの日が最後となった。

2023/01/29
この日は上南邸で上南単独の録音が行われた。橋本がコロナワクチンを接種した結果、副反応で発熱、ダウンとなったため(彼は毎回発熱、ダウンである...)。

2023/04/02
この日は山口邸で橋本単独の録音が行われた。前回コロナワクチンの副反応で上南単独録音になったことの穴埋めである。尚、あれから少し日があいているが、森岡に続き橋本もメニエール病にやられた他、腰痛の再発、奥様のご実家のゴタゴタなどがあったためとのこと。

2023/08/26
録音とは関係ないが、この日恒例行事のお盆の会が少し遅れて開催された。当初予定の8/15は台風が直撃、交通機関が軒並み止まってしまったため涙の中止となったため...。

2023/09/24
大方1年ぶりに歌唱隊が録音を行った。この日残っていた「九時の雨」と「シーソーゲーム」を片付けたということで『テーマレス』のボーカル・パートは全て完了したとのこと。

2023/10/22
久しぶりに演奏隊が録音を実施。上南の体調不良が続いているためで、長時間の練習が出来ないという訴えによって1回につき1曲の録音ということになった。この日は「一喜一憂」が録音されたとのこと。

2023/11/23
演奏隊が録音を実施。「みどり虫 vs ワーカーズ」がコーラス待ちに昇格。しかし橋本はメニエール病が再発、上南は不整脈に悩まされるなどなかなか厳しい状況となっている。結局年内の音楽活動はここで終了となる。

2024/04/14
上南が病院に担ぎ込まれるなど厳しい状況が続く中、ボーカル・演奏部分が出来上がった曲についてこの日コーラスの録音が実施された。参加したのは橋本、森岡、山口。予定されている14曲のうち6曲が完成となる。

2024/05/26
上南が復帰、万全ではないものの演奏隊の録音が実施された。「ヨコハマ・ブルー」がコーラス待ちとなる。

2024/06/22
遅ればせながらラッシュがかかり始めた演奏隊、この日は「GGズ・メドレー」が録音された。

2024/07/15
月1曲のハイペースで録音を片付ける橋本・上南。この日は奥井作品の「九時の雨」を片付けた。かくして残すは「シーソーゲーム」のみ、というところまで漕ぎ着けた。

2024/09/28
ついにこの日、橋本・上南の演奏隊の最後の1曲「シーソーゲーム」の録音が行われた。録音後上南からは“さらにコーラス録音が待ってますが、そちらも完了して是非10月にはどこかで一杯やりましょう。また来年ぐらいには一度ゆっくり皆で温泉でもいきましょう”という心強い?コメントが出された。

2024/10/13
この日は山口邸に橋本、森岡が集まり残る8曲のコーラス録音が行われた。かなり必死のパッチで進められたようだが無事ミッションは完了! 録音自体はこれでようやく完了となった。

2024/10/22
橋本が山口邸を訪れる。最終のミックスダウンを実施したと伝えられている。これで音の方は完成である。

2024/11/23
この日完成形の『テーマレス』CDがお披露目され順次関係者にも配布された。2021年7月に“つぎは『テーマレス』”と言い出してから3年以上かかったことになる...。

Impression By Y.Goto Meaning ? CONTENTS MAKING PROCESS IMPRESSION BY Y.GOTO

『Themeless』の感想文

01. 今日もまた地下鉄に乗る

繰り返される日常を惰性的にとらえるのではなく、その日常に立ち向かっているような快活さ、楽しさがメロディーの根底にありますね。地下鉄でもバスでも、乗り物は心楽しいです。早く70歳になって、格安で乗り放題のパスで京急バスに乗りたいです。5連めの歌唱のような変化は不意打ちですが面白く嬉しいです。引き続き登場する間奏のギターはさわやかで、変化に驚かされた後、ゆったりと名演奏に浸れます。

02. お買い物

山口君の歌唱のファンを自認する僕ですが、惹かれる理由が分かりました。「素材感」と「持って生まれたかわいらしい歌声」です。もちろん、森岡君の歌唱のファンでもある僕ですが、森岡君は「安定感」と「芸達者ぶり」の2点が魅力です。山口君は森岡君とは常に異なったスタイルで、そして今後も飾ることなく「そのまま」で歌っていってほしいですね。個性的なボーカリストが二人いる「強み」を、この楽曲で確認できました。

03. ヨコハマ・ブルー

この歌は歌詞を目で見ることができませんでしたが、耳をすまして言葉を浮かび上がらせました。繊細な心の形が連綿と続きますね。すれ違いがあったり、思いがつのったりして、言葉につまる一瞬一瞬やそれでも伝えたい気持ちをメロディーに乗せたこの楽曲は、ほんものの恋を経験したことのある人をハッとさせることでしょう。

04. 子供は風の子

なぜ外に出ないんだ? → なぜ自由を求めないんだ?
こんなことが言える大人にならなければいけませんね。ツインカズーに急かされました。

05. 真夜中の旅人

正統派の楽曲ですね。メロディーにぴったり合った歌詞で、その創作力の高さに感じ入りました。「真実の道」とは何でしょう。あるかなきかの風のようなものかもしれません。「別れに手を振る者なんて誰もいない」。…背を向けるのですね。でも、また会いたくなりますね。

06. GGズ・メドレー「愛しい娘の子、我が孫」「音の子」

心の奥のどこまでも、どこまでも、どこまでも染み渡るぬくもりがありました。愛に満ちた歌は聴く者にも愛を満たしてくれるのですね。愛に包まれたせいか、who's baby, to go there, grandpa, is fine のアクセントと言いますか、気持ちのこもった抑揚に、僕の涙腺が目を覚ましました。歌声がいいんですね。2つめのon and on の、初めのon 。森岡君が感極まったのかと思い、涙腺が崩壊してしまいました。その後の山口君のかわいらしい声で慰められましたが、横須賀に居ながらにして、こんなにも僕は愛に包まれてしまったのです。

07. お願いだから

「聴いておくれ、君と一緒にいる喜びを歌った歌を 今…お願いだから」。さり気ない歌詞ですが、身構えているとなかなか書けない歌詞ですね。上手いと思いました。メロディーは一話完結のような段階と言いますか、ステップが何度もあり、心地よいですね。

08. みどり虫 vs ワーカーズ

対決姿勢みなぎるメロディーは聴く者を熱くさせますね。うめき声の演出もただ事じゃないことを知らせます。戦いは続くのですね。

09. 未来のラヴソング

これも「真夜中の旅人」と同様に実力発揮の正統派ですね。曲の流れが自然で安心して聴けます。リードギターの高音って、こんなにとろけるように美しくなるものなんですね。

10. 九時の雨 - さよならジョン・ウエイン

レイン、ペイン…、面白い歌詞です。楽しくて軽快な曲ですが、初期のRUGの皆さんの空気感をまとっている作品なんですね。いつも皆さんのそばにおられた奥井君の感覚にもその雰囲気が収まっているのですね。その阿吽の呼吸で、優れたCDジャケットが誕生するわけですね。

11. 一喜一憂

上南君のベース音がよく聴こえますね。大変嬉しいです。歌詞は少々粗野で若干乱暴な感じもありますが、やはり山口君の歌声が「かわいらしい」です。その歌声で中和されているせいか、一番調子のよい状態に落ち着いていると思います。間奏からラスト部にかけて、橋本君のギターの音色は縦横無尽に走り回っていますね。カッコいいです。

12. 普通のうた

今回のアルバムで一番山口君の歌声に合っている楽曲だと思いました。「特別でない一日に、普通のうたを歌う」。…何か深い意味がありそうですね。この曲も橋本君のギターが駆け巡っています。本当にカッコいいです。橋本君の演奏の醍醐味はどの曲でも味わえますね。

13. シーソーゲーム

歌詞が難解で何度も何度も読みました。まだ理解できていません。人と人が思い合う、ということは簡単ではない、ということでしょうか。シチュエーションをさまざまに設定できる歌詞だと感じました。メロディーは展開部に救われるような清涼感を抱きました。

14. 素晴らしき哉、第二の人生

最後にこのような作品が来ると、アルバムを聴く旅も終わるのかぁ、という気分になります。第二の人生、…僕たちも、それなりに年齢を重ねましたね。この曲には今回の最新CDに潜む「総合芸術」の一端が垣間見られます。映像はありませんが、写真を拝見し、そして、この楽曲を聴き、「人生は素晴らしい」ことを実感し、加えて皆さんのCD制作のご苦労・楽しみ・仲間意識等も伝わり、それらがなぜか、僕の中で分厚く立体的に見え隠れしました。

《おわりに》

全曲を通じて、当然のことですが、完成度が高いと思いました。長年、音楽活動を続けて来られた功績だと思います。皆さん多忙な中の制作だったと思いますが、どこにも妥協点が感じられず、聴く側のフラストレーションを一切発生させない出来栄えだったと感じました。特に全曲にアレンジが行き届いていて、これ以外のアレンジは他にはない、こうあってほしいな、と思うことが満たされる、自然体でセンスの良い高度なアレンジだと驚嘆しました。

こう見えましても、僕も時には人恋しく寂しい日があります。奥井君のカラフルなCDジャケットを眺め、山口君、森岡君の歌声に聴き入り、橋本君、上南君の演奏の凄さに唸り、山口君のアレンジの「彩りの妙」に感嘆し、そして、皆さんのコーラスに豊かな友情を感じています。それらは僕の心を慰め、明日への活力にもなっています。いつもお仲間に入れていただき嬉しく思っています。心より感謝申し上げます。
後藤雄二(2024.12.2)

ご拝読、ありがとう。ではぜひ中身をお楽しみ下さい。