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『支離滅裂・第二章』 ※ジャケットデザイン:奥井弘前作で復帰後10作を数えた洛東UNDERGROUNDが提示してみせたコンセプトは「支離滅裂」だった。そしてそれに続くものは一体何か? それはやっぱり“支離滅裂”だったのだ!

前作の方法論を引き続き継続した『支離滅裂・第二章』では典型的なポップスやロックンロールもあるが、演歌、カリプソ、タンゴ、黒人霊歌、ラテン・ボッサ、テクノ、インド音楽など前作を凌ぐ勢いで様々なジャンルの楽曲にチャレンジ。もちろん前作同様その狙いは“支離滅裂”な中にも一貫した主張、それすなわち音楽への情熱を強く感じさせる作品集に仕上がっている。

ベーシスト・上南雅博の存在もすっかり定着した洛東UNDERGROUNDの4人組が聴かせる変幻自在の演奏はまた一段とパワーを増し、再びデザイナー奥井弘が手塩にかけた各曲に個別に用意されたイラストを組み合わせたジャケットともども、決して前作の二番煎じとは言わせない内容の作品集である。

現実には前作『支離滅裂』に収録しきれなかった楽曲を集めた作品集である。だが今回同時リリースのシングルにもなった演歌「気がつけば…」が“支離滅裂”の出発点だったとされ、それがついにここで完結した、という訳だ。

シングル『気がつけば…』

ちなみに同時リリースのシングル「気がつけば…」は例の如くアルバムとは別バージョン(アルバムは日本語で歌われるがシングルでは英語バージョンになっている?)。カップリング曲もそれぞれ別バージョン、未発表テイクでありやはりファンにとってはマスト・アイテムになることは間違いない。

“前のも「支離滅裂」やったよな、どうちゃうねん???”という声が聞こえてきそうな『支離滅裂・第二章』。だが聴いていただければさらにややこしい作品集であることは明らかである。心ゆくまでお楽しみいただきたいと思う。






Contents Of "Thrown Into Confusion II" WHAT IS ? CONTENTS SINGLE RELEASE MAKING PROCESS IMAGES

まずは収録曲、簡単な曲目紹介を行う。

1.あの日に恋して Fall In Love At That Days (Words and Music By A.Hashimoto)
T.Yamaguti .... Vocal / Electric Guitar / Piano / Synthsizer / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar
M.Johnan .... Bass

橋本入魂のソングライティングである。本人はJポップの香りがすると述べているが仕上がりは正統派のブリティッシュ・ポップである。キーボード群を前面に出しつつドライブ感溢れるベースが下支えする中、密かにギターの小技が冴える。一部では“ボーカルが弱いがそれ以外は完璧”と言われているオープニングにふさわしい一曲。

2.流出 Outflow (Words and Music By T.Yamaguti)
M.Morioka .... Vocal / Harp (Solo) / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Johnan .... Bass
T.Yamaguti .... Vocal / Acoustic Guitar / Piano / Bag Pipe Section / Rhythm Programming

ブルース・アルバムで暗躍したM・M・キング(森岡)が再び降臨? しかしゴスペル風のコーラスも含め確かに基調は米国南部の黒人霊歌っぽいが、何故かバックで鳴り響くバグパイプ...。山口作品にしばしば出現する“英単語ひとつ漢字2文字”シリーズの一曲だが曲の内容はかなり国際問題をはらんでいる? とにかく“支離滅裂”らしい作品ではある。

3.巨人を叩け Beat The Giants (We Are Tigers) (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Electric Guitar / Piano / Marimba / Brass Section / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar
M.Johnan .... Bass

スタイル・カウンシルの楽曲を彷彿とさせるラテン・ボッサ風のこ洒落たサウンドで迫る作品。橋本のギター、上南のベースも少しファンキーな雰囲気を漂わせる。だが歌詞の方は“政権交代とその終焉”について歌っているらしいが一方では関西の某プロ野球チームに捧げられているという噂も(つまりダブル・ミーニングになっている?)。

4.ヴォラチャトのタンゴ Vorachat Tango (Words By T.Yamaguti / Music By M.Johnan)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
T.Yamaguti .... Vocal / Electric Guitar / Accordion / Violin Section / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Johnan .... Backing Vocal / Bass

従来よりRUGの活動を支援してきた上南の友人でタイ人のヴォラチャト氏に捧げられた上南の作品。山口が何を血迷ったかタンゴにアレンジしたため混乱を招いた。しかし森岡・山口のダブル・ボーカル、橋本の小技が利いたギター、上南の意外な器用さを見せてくれるベース、とRUGらしさ満開の仕上がりの上に上南が初めてコーラスに参加している。ワンフレーズだけタイ語のコーラスも挿入されヴォラチャト氏も喜んでくれるに違いない。

5.ロゴダンス Logodance (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Electric Guitar / Sequencer and Synthsizer / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar
M.Johnan .... Bass

山口が書いたテクノ・ポップ・ナンバー。いかにもな打ち込みリズムに無機質なシーケンサーやキーボードが重なる一方で人間臭いギターやベースが絡むあたりRUG的なテクノである。ちなみに“ロゴ”は子供の知育用に開発された幾何学模様を描くコンピュータ言語の名称。かなり以前に模様が描かれる様を眺めていてこの曲を着想したという安易な話である。

6.足跡のかけら A Piece Of Trace (Words and Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Acoustic Guitar (Solo)
M.Johnan .... Bass
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Acoustic Guitar / Electric Piano / Rhythm Programming

元々は「バック・トゥ・ザ・プレイス」の頃に発表された橋本の楽曲。なぜこれだけの名曲が今まで眠っていたのか定かではないが爽やかなサーフ・ロックとして甦った。森岡の思い入れたっぷりのボーカルと橋本のアコースティックギター・ソロが聴き所である。ちなみに波の音が効果的に挿入されているが、本当は録音の失敗で入ってしまったノイズをごまかすための措置らしい。

7.ぐだぐだロックンロール Rock'N'Roll gdgd (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Electric Guitar / Piano / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar
M.Johnan .... Bass

タイトルにふさわしい当たり前すぎるロックンロール・ナンバー。収録曲の決定にあたって山口は橋本が書いたロックンロール曲を押したが橋本により押し切られこの曲が採用されたとのこと。確かに分かりやすくど真ん中のストライクでメンバー達の演奏も楽しげある(ボーカルだけはぐだぐだだが。それにど真ん中すぎて投げればホームランを打たれるに違いない...)。

8.温泉ソング The Onsen Song (Words and Music By M.Morioka)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar / Cuica / Guiro
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Johnan .... Bass
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Electric Guitar / Harpsichord / Brass Section / Rhythm Programming

さらなる“堅田サウンド”の進化形である。最近カリプソに入れ込んでいる森岡がそれをモチーフに作り上げたユニークな楽曲。スティール・パンを始め山口が脅しつけられて組み込んだ楽器の音が多彩だが、クイーカ(フガッフガッというやつ)は森岡が自作したものを使用しているとのこと。歌詞の内容から一部では“No New Song パート2ではないか?”との声もあったが個性的なメロディライン、素晴らしいコーラスワークなど見るべきところの多い楽曲。

9.判取り帳って何ですか? A Policeman Asked 'What Is A Delivery Book ?' (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
T.Yamaguti .... Vocal / Acoustic Guitar / Piano / Fiddle Section / Rhythm Programming
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Johnan .... Bass

RUG得意の内輪ネタ炸裂である。主人公はまたしても橋本で警察官に判取り帳とはどういうものかを説明しなければならくなった経緯が高速テンポのカントリーソングとして歌われる。なかなか楽しい曲なのだが演奏隊(橋本、上南)もダブルボーカルの二人(森岡、山口)もそのテンポに付いていくのに四苦八苦、“誰や、こんなアレンジしたんは!”と未だに非難が集中しているとのこと。

10.気がつけば... Ki Ga Tsukeba... (Words and Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocaol / Electric Guitar (Melody)
M.Johnan .... Bass
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Acoustic Guitar / Strings / Flute Section / Rhythm Programming

“支離滅裂”という企画のきっかけになった橋本の手になる演歌。前作の段階で発表されていたが時期尚早?ということだったのか見送られ、満を持して今回採用となった。当然のことながら歌詞は日本語で信濃路、木曽の宿など演歌ならではのキーワードと感動的なメロディを森岡が情感たっぷりに歌い上げる。橋本が担当したストリングスのアレンジ等も研ぎ澄まされており完成度の高い楽曲である。

11.メルトダウン Meltdown (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Electric Guitar / Organ (Solo) / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar
M.Johnan .... Bass

よく聴くとディープ・パープルのパロディのような曲で演奏隊(特に上南)が大いに乗って演奏したとされる。しかし一時期作者である山口はこの曲を録音すべきかどうか悩んでおり、バンド内でも意見は半分に分かれていた。しかしあの日が近づいてきてTVなどでなんら改善していない状況が明らかになった結果“この曲は‘311’についてのRUGからのメッセージである”として録音に踏み切ったとのこと。

12.エッジ・オブ・ザ・タイム Edge Of The Time (Words and Music By T.Yamaguti)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar (Indian Melody)
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Johnan .... Bass
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Electric Guitar / Organ / Electric Piano / Sitar and Tabra Section / Rhythm Programming

基本的にはわりと単純なロックである。しかし途中に大胆にインド音楽風のメロディが挿入され“ビートルズ時代のジョージ・ハリスンか?”という雰囲気になっている。尚、インド音楽部分は森岡が大活躍、ボーカルと特殊効果をかけた多重録音のガット・ギターがさらに雰囲気を盛り上げている。また上南のベースが独特のうねりを持った演奏をしている点にも注目したい。

13.乗り過ごしスタンプ Ride Past Stamp (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
T.Yamaguti .... Vocal / Electric Guitar / Organ / Brass Section / Rhythm Programming
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Johnan .... Bass

いきなりシカゴの「長い夜」を彷彿とさせる(というかそっくり?)オープニングでびっくりさせられるブラス・ロック。恐らくシカゴの楽曲をかなり研究していると思われるが、橋本のギター・ソロなどは非常にRUG的で安心して聴ける。基本的には山口がボーカルを担当しているが森岡が一部分だけを担当していて一本調子になっていない点も評価できる。全般的にパワーを感じさせるナンバーだが実は橋本が主人公の実話ソングである。

14.今日はもうおしまい Today Is Already Over (Words and Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Twin Solo)
M.Johnan .... Bass
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Acoustic Guitar / Electric Piano / Strings / Rhythm Programming

橋本が書いた素晴らしい作品。ウエストコースト風のアレンジになっているが、夜の12時前後の駅でなかなか来ない電車を待つ間に生まれた曲だと言う。じっくり聴かせる森岡のボーカル、決して前に出過ぎず確実にリズムを押さえる上南のベース、そして何よりツインで奏でられる橋本のギターソロが素晴らしい。RUGらしい凝ったコーラスも含め作品集の最後を飾るにふさわしい楽曲である。

Single Release With "Thrown Into Confusion II" WHAT IS ? CONTENTS SINGLE RELEASE MAKING PROCESS IMAGES

作品集「支離滅裂」リリースと同時にシングル「気がつけば…」もリリースされた。以降にこちらの簡単な紹介も。

1.気がつけば... When I Find... (Words and Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocaol / Electric Guitar (Melody)
M.Johnan .... Bass
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Acoustic Guitar / Strings / Flute Section / Rhythm Programming

アルバムバージョンの「気がつけば…」は日本語で歌われているがシングルバージョンは英語。橋本が描いたいかにも日本的な言葉の世界を山口がほとんど無理矢理英語に置き換えている(信濃路=Shinano lane、木曽の宿=Kiso-side innなど)。それでも body と nobody、tenderness と loneliness、water と twitter など無理矢理なりに韻を踏む凶悪な歌詞を見事に歌いこなしているあたりさすが森岡である。

2.気がつけば...(ナチュラル・ミックス) Ki Ga Tsukeba... (Natural Mix) (Words and Music By A.Hashimoto)
M.Morioka .... Vocal / Acoustic Guitar
A.Hashimoto .... Backing Vocaol / Electric Guitar (Melody)
M.Johnan .... Bass
T.Yamaguti .... Backing Vocal / Acoustic Guitar / Rhythm Programming

こちらは日本語バージョンだがストリングスなどが入らない文字どおり自然なミキシング・バージョン。バンド演奏に近いイメージでオリジナルとはまた違った雰囲気が曲の本来の良さを引き立てているように思う。

3.ぐだぐだロックンロール(テイク2) Rock'N'Roll gdgd (Take 2)  (Words and Music By T.Yamaguti)
T.Yamaguti .... Vocal / Electric Guitar / Piano / Rhythm Programming
A.Hashimoto .... Backing Vocal / Electric Guitar (Solo)
M.Morioka .... Backing Vocal / Acoustic Guitar
M.Johnan .... Bass

ギターとベースはアルバム・バージョンとは異なる録音である。山口から“2テイク録るし!”と指示があり録音されたとのこと。また冒頭の部分の楽器の入り方も少し異なる。尚、実際には『支離滅裂・第二章』の最後にこのテイクの終わりの部分(演奏が終わり山口が鼻歌を歌いながらドアを閉めるまで)がシークレットトラックとして収録されており、これはそのフルバージョンということになる。

4.支離滅裂のテーマ Thrown Into Confusion Theme  (Words and Music By A.Hashimoto)
シングルのみに収録された短いインスト作品だがよく聴けば主旋律は「誰も知らない」。元々は前作『支離滅裂』のオープニングに「誰も知らない」を荘厳なオーケストレーションのアレンジで配置しようと画策する山口に対し橋本から“ピアノから静かに入るように”という指示が飛んだ。かくして「誰も知らない」で始まりおまけ的なこの「支離滅裂のテーマ」で終わるプランは瓦解、この曲はお蔵入りになっていた訳である。尚、そのような事情からこの曲の実体はバックトラックのみで橋本、森岡、上南の演奏は入っていない。

Making Process Of "Thrown Into Confusion II" WHAT IS ? CONTENTS SINGLE RELEASE MAKING PROCESS IMAGES

前作に懲りず引き続き制作された『支離滅裂・第二章』誕生の軌跡について。

2013/01/01
恒例の橋本による新年挨拶が公式サイトに掲載された。「支離滅裂」の完成を喜ぶコメントとあわせて“「支離滅裂2」を目指す飛翔の一年にしなければならない!”という力強い宣言が行われた。

2013/01/13
例年になく早い動き出しで上南邸に橋本、山口が集合、新曲発表などが実施された(一部ではただの新年会ではないのか?という声もあったが)。尚、この日発表された曲のうち「今日はもうおしまい」と「乗り過ごしスタンプ」が採用され『支離滅裂・第二章』に収録となった。

2013/02/09
山科スタジオに全員が集合、選曲ミッションが開催される。先日発表された曲だけでなく前作「支離滅裂」段階で未採用のままになっている曲も含めるとかなりの数に上る候補曲をうだうだ言いながら絞り込む厳しい作業であった。ただしなぜか「気がつけば…」は自動的に、また森岡、上南がこれから発表するであろう未知の2曲も採用扱い。この日選出された10曲に加えワイルドカードとして1曲分の枠を確保しておく、ということも申し合わされ『支離滅裂・第二章』は前作同様全14曲のラインナップとなる。

2013/03/09
またしても橋本、山口が上南邸に押しかけ譜割ミッションが行われる。前回の選曲ミッション以降ボーカル割も決定されており、これでいよいよ録音の下準備が完了した。またこの日、上南が新曲の骨格を発表。奇しくもこの日。上南の知人でRUGフリークのタイ人、ヴォラチャト氏とSkypeで話をしたことからこの新曲は「ヴォラチャトのタンゴ」として『支離滅裂・第二章』に収録されることになる。

2013/03/16
4人が揃って“ふなごや”という店で決起大会を実施。森岡の新曲はカリブ海あたりの楽器を使ったものになるらしい、とか上南の新曲にはタイ語のコーラスがつくらしい、といった早くも“支離滅裂”な噂話が飛び交う楽しい?一夜となった模様。

2013/03/23
ついに今シーズンの活動の火ぶたが切って落とされ恒例のZ旗が翻る中、歌唱隊(森岡、山口)による第一回録音が実施された。「流出」「足跡のかけら」など一気に8曲を録音。また森岡が持ち込んだミニビデオカメラを使って動画「今日はもうおしまい」の撮影も行われる。

2013/04/20
RUGの尻を叩くべく?タイからヴォラチャト夫妻が来日。RUGの4名との会食が行われた。

2013/05/04
GWの最中いよいよ演奏隊(橋本、上南)が始動、第一回の録音を実施。上南は久々に元々使っていたジャズベースを整備、持ち込み熱演。橋本が久々の録音で段取りを忘れてしまっている、という一幕もあったが「流出」「エッジ・オブ・ザ・タイム」の2曲を収録。

2013/05/25
勢いに任せて短いインターバルの後、演奏隊(橋本、上南)第二回録音を実施。曲目は「今日はもうおしまい」「ぐだぐだロックンロール」。また再びミニビデオカメラが持ち出されて「今日はもうおしまい」のクリップも撮影された。尚、この日誕生日だった上南は再びジャズベースで軽快な演奏を聴かせた。

2013/06/01
この日橋本がガラケーからスマートフォン(しかも iPhone!)に乗り換えたことが明らかになった。

2013/06/15
演奏隊(橋本、上南)第三回録音。しかし橋本に仕事上の来客が突発したためドタバタ。橋本自身は仕事着のままかなり遅れて録音に現れる事態となる。曲目は「あの日に恋して」「ロゴダンス」。尚、この日上南はローズレッドのリッケンバッカーを演奏した。またこの直前に森岡の新曲「温泉ソング」が発表され皆の話題をさらう。

2013/07/27
演奏隊(橋本、上南)第四回録音。だんだん間隔が開きつつあるが何とかコンスタントに活動を継続。曲目は橋本が素晴らしいアコースティックギターを演奏する「足跡のかけら」と上南がジャズベースで印象的な演奏を聴かせる「巨人を叩け」。これで歌唱隊が録り貯めた曲はすべて消化された。またこの日橋本より“この間部屋に○○○が出てなー”という恐ろしい報告がなされる。尚、この件はいつの日かRUGの実話ソングとして発表されるだろう、というのがもっぱらの噂。またワイルドカードとして残っていたもう1曲の枠はこの日橋本がギターのインストで発表した「判取り帳って何ですか?」が採用されることになった。何故ギターのインストで発表されたかというと“歌詞が多すぎて歌えない”ため。

2013/08/03
在庫が切れてしまったため慌てて歌唱隊(森岡、山口)第二回録音が行われる。「メルトダウン」とまだ発表されていないもう1曲を除きボーカル録音が完了。また「温泉ソング」では森岡お手製(製造原価100円以下?)のクイーカが持ち込まれ演奏に花を添えた。

2013/08/08
eo music try 2013 の一次予選通過グループの発表がありRUGは“スペシャル・バトル:coolオトナ部門”に見事ノミネートされた。しかしノミネート曲は彼らが気合いを入れていた「B会社」でもなく「流れ星」でもなく何故か「信じられない、夢みたい」... だが一方では推薦した上南の先見の明だ!と話題になった。。

2013/08/17
この日RUGの恒例行事であるお盆の会が開催されたが、その席上橋本から苦言が呈される。事務局を担当する山口が eo music try 2013 の得票活動の一環として「信じられない、夢みたい」の橋本発表バージョンを“Making Of”として facebook にアップしたことが橋本の逆鱗に触れたのである。森岡が懸命にフォローしたが橋本は“誰が聴くかわからないネット上に自分のボーカルがアップされているのは耐えられない。今後の活動に影響が出る前に削除せよ”と譲らず、結果“Making Of”は取りやめとなり音源もネット上から削除された。この“事務局不祥事”事件は以降の得票活動のみならず新作の録音にも影響を及ぼすことになる。

2013/10/26
“事務局不祥事”事件は根が深く演奏隊(橋本、上南)の録音は3ヵ月停滞してしまった(もっとも橋本がとにかく公私とも多忙であったため、という噂もあるが真相は不明)。しかし何はともあれようやく第五回録音が実施され「ヴォラチャトのタンゴ」「乗り過ごしスタンプ」の2曲の演奏が収録された。またこの日は遅れを取り戻すべく演奏隊と入れ替わりに歌唱隊(森岡、山口)の最終録音も実施され「判取り帳って何ですか?」と「メルトダウン」のボーカル、バッキング、さらに森岡による「エッジ・オブ・ザ・タイム」のインド音楽部分のギターメロディが録音された。ちなみにこの日の上南は最近購入したワインレッドボディのジャズベースを演奏した。

2013/11/07
いろいろ物議を醸した eo music try 2013最終結果発表。一時期首位に立ったRUGだが順位表がクローズされた段階で2位、そのまま浮上することはなく3度目の無念の敗退となってしまった。

2013/11/16
eo 敗退で吹っ切れたのか本来のペースで演奏隊(橋本、上南)第六回録音が実施される。彼らがひとつの山、と言っていた演歌「気がつけば…」と森岡のユニークな「温泉ソング」に挑戦。しかし何事も成せば成るで見事な成果が記録された(特に“ロック演歌”を目指した橋本の「気がつけば…」の演奏は“宇崎竜堂みたいである!”“今作のベストであろう”と絶賛された)。尚、この日再び“ゴーン・ウエスト”(RUG内では激しい腰痛に見舞われたことをオリジナル曲の名前にちなんでこのように呼んでいる))にやられてしまった上南は再びワインレッドボディのジャズベースを演奏。ちなみにこれは電池が内蔵されていて(理由は不明)電池が切れると音が鳴らなくなるらしい。

2013/12/08
当初より遅れつつ演奏隊(橋本、上南)の最終録音に漕ぎ着ける。この日は残っていた「メルトダウン」と「判取り帳って何ですか?」を片付けた。「メルトダウン」はディープ・パープル風のハードロックということで大いに乗り気の上南は最近お気に入りのワインレッドボディのジャズベースでハードな演奏を披露。一方の橋本はかなり忙しない「判取り帳」で悪戦苦闘したが見事ミッションをクリアした。終了後“あと2ヵ月で完成や!”と盛り上がる彼らであった...。

2014/1/21
年が明け新年会(ネパール料理の店ナマステタージマハール山科店で開催)も終わりさっそくコーラス録音の段取りが組まれた。しかし当初12日に設定した録音は没になり、続いて再設定した18日も没に。いずれも森岡の予定に割り込みが発生したためだが、この日森岡が全員にメールを配信、事情を説明した。その結果速やかに全員一致で森岡が落ち着くまで録音作業を凍結することに決定。メドは1〜3ヵ月とのこである。

2014/05/18
本当に録音活動を停止してしまった上に4/5には“桜の会”、5/5には“新緑の会”と飲み会だけが話題となりファンをやきもきさせたRUGの面々。しかし森岡の状況も落ち着いたということなのか、ついに満を持してのコーラス録音が実施された。この日は「足跡のかけら」「今日はもうおしまい」「巨人を叩け」「気がつけば...」「判取り帳って何ですか?」「流出」「ヴォラチャトのタンゴ」の7曲を録音。特に「ヴォラチャトのタンゴ」は上南も参加、器用な一面を披露した(上南はこれがコーラス初参加である)。また残る7曲の録音日程も決定しいよいよ活動は大詰めとなってきた。

2014/06/14
いよいよ最終の録音が実施された。課題は「あの日に恋して」「ロゴダンス」「ぐだぐだロックンロール」「メルトダウン」「乗り過ごしスタンプ」「温泉ソング」の7曲。曲数は前回と同じだが厳しい楽曲を大方前回片付けてしまったので非常にスムーズに録音が進んだようである(彼らの場合“臭い物には蓋”と称して難題は後回しにする傾向がある)。またラストの「温泉ソング」では当日活発な意見交換が行われ素晴らしい仕上がりとなった。かくしてこの夜、昨年の3/16の決起大会以来再び“ふなごや”でお疲れ会が開催された。『支離滅裂・第二章』は制作に1年3ヵ月を費やした大作である...。

Images For "Thrown Into Confusion II" By H.Okui WHAT IS ? CONTENTS SINGLE RELEASE MAKING PROCESS IMAGES

前作に引き続き今回のジャケットデザインも“1曲ごとにお題を出すので合計14枚の絵を...”の流れとなった(一応無理は言いません。1枚でもいいよ、ということにはなっていたが)。前回同様作成されたイラストについてデザイナー奥井弘自身に語ってもらう。

◆あの日に恋して
あの日に恋してお題は“Jポップ”... 幸せの四葉のクローバーは、その幸せを残しておきたいために押し花として大切にとっておく。ふと後で枯れた四葉のクローバーの押し葉を見ると、淡く切ない気持ちが湧いてくる。過去の恋も同じだ。恋は四葉のクローバーのように。

◆流出
流出お題は“黒人霊歌”... 「国際救助隊、国際救助隊応答願います。こちら『日出ずる国』の日本丸。応答願います。」「こちら国際救助隊、国際救助隊、どうされましたか?」「『日没する国』の漁船が『日出ずる国』の領海を侵犯。救助をお願いします。」「それは救助ですか?防衛ですか?」「我が国では救助も防衛も同じです。」「分かりました。直ちに救援に向かいます。」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・? 自衛隊はどっちかな?

◆巨人を叩け
巨人を叩けお題は“ラテン・ボッサ”... いいかげんなハトはいらない。まともな鷹はいないのか? 「巨人を叩け」 長いものにはまかれるな!

◆ヴォラチャトのタンゴ
ヴォラチャトのタンゴお題は“タンゴ”... 春の訪れとともに、友の友人が訪れる。会える喜びと、あなたの健康への祈りをこめて私は歌う「愛の歌」を。

◆ロゴダンス
ロゴダンスお題は“テクノ・ポップ”... ノリノリでダンスに夢中のとき、体は勝手に動く。そのときは無心なのかな? 座禅で自分を消し無心になるのは難しそうやけど、こっちのほうが楽やったりして。

◆足跡のかけら
ハウスキーパーお題は“サーフ・ロック風”... 人の親切心はうれしいよね。と言うより、人は人の親切心があってこそ生きていけるように思います。その価値は海より深く空より高い。友であっても、仕事であっても親切心が根底にあってこそ続くのだと思います。そして友の間では意識をしなくても、無意識の中にそれはある。「アラビアのロレンス」のなかで、ピーター・オトゥールが「砂漠は清純で汚れがない」と言うようなことを言っていたが、人は生まれてその砂にそれぞれの足跡を残していく。親切心とともに。

◆ぐだぐだロックンロール
ぐだぐだロックンロールお題は“ロックンロール”... ロックンロールってなんですか? 「束縛からの解放」? 奴隷? 学校? 社会? 政治? 大人? 薬? 暴力? 男? 女? ... 人間社会はルールのなかで成り立っているが、そのルールは絶対なのか?

◆温泉ソング
温泉ソングお題は“カリプソ”... 温泉はいいよね! なにも考えずに温泉につかっていると、ふと何かが浮かぶってか?  欲をださずに浮かぶ何かはその人そのもの。いい湯だね〜〜〜

◆判取り帳って何ですか?
判取り帳って何ですか?お題は“カントリー&ウエスタン”... 判取り帳ってどんな鳥? 記憶が異次元にワープした瞬間、判取り帳も異次元空間に飛び、記憶の闇に消えていく。

◆気がつけば...
気がつけば...お題は“演歌”... まず最初が演歌ですか〜 信濃路と言う事で、北の厳しさはなさそうやけど、人の記憶はその人の人生そのもの夢芝居。夢芝居のなかでも、一番大切なものはやはり友であり愛する人やはね。それは夢芝居でもあり現実でもある。四人の鳥はどんな夢芝居をみてきたのやろね。

◆メルトダウン
メルトダウンお題は“ブリティッシュ・ハードロック”... 人の造りし太陽は、自然の力に抵抗できずメルトダウン。人が自然を支配を出来ると思うのはおこがましい。それに早く気ずくことが需要だ。心がメルトダウンするまえに。

◆エッジ・オブ・ザ・タイム
エッジ・オブ・ザ・タイムお題は“インド音楽”... 時間のはしっこで魚は想う。この世界は同じ時間軸の中で動いているが、人が生きる時間はそれぞれその人の時間であり、その時間軸が複雑にからみあうパラレルワールド。RUGワールドは四人の時間軸のシンクロか。

◆乗り過ごしスタンプ
乗り過ごしスタンプお題は“ブラス・ロック”... ゆらゆら、ゆらゆら揺り籠は、夢の世界へ一直線。酔いから覚めた世界は本物か? 嘘と本物、どちらの世界が幸福か?

◆今日はもうおしまい
今日はもうおしまいお題は“ウエストコースト”... 禅の世界で「円相」は悟りや真理、仏性、宇宙を象徴的に表現したものとされ、また円窓と書いて「己の心をうつす窓」という意味で用いられるらしい。二枚のアルバム「支離滅裂」はそれを聞いた人の心に何をうつすのか?最後のピリオドで「今日はもうおしまい」これでおしまい。

ご拝読、ありがとう。では中身の方もお楽しみ下さい。