What is "30th Anniversary DVD Edition" ? WHAT IS ? CONTENTS IMPRESSIONS HOW DID WE MAKE ?

『30周年記念DVD』 ※ジャケットデザイン:奥井弘2007年、結成30周年を祝して「30周年記念編集盤」をリリースした洛東UNDERGROUND。30周年記念盤は非常に充実した内容であったため、大きな混乱もなく2008年を迎えることになった。そして今、多くのファンが困惑しているに違いない。何故ならあまりにも突然に彼ら初の映像作品がリリースされたからだ。その名も『30周年記念DVD』。

その存在について一部では密かに噂になっていたのは事実である。しかし音の方に注目が集中したため映像の方は黙殺されていた。そんな混乱の中においても着々と制作を進めてきたのは洛東UNDERGROUNDならではのフェイントであろう。

さてこの映像作品は基本的に30周年を迎えたことに端を発して、“洛東UNDERGROUNDとは一体何なのか?”はたまた“歌う、ということは?”“ギターを弾く、とういうことは?”といった大小様々なテーマに対しメンバー達が比較的真面目に答えていくインタビューが中心である。だが合間には「30周年記念編集盤」録音時の貴重な映像や、この映像作品のために撮影・編集されたと思われるビデオクリップが挿入され、非常に構成力の高い充実した作品に仕上がっている。

お馴染みのサポートメンバー達も登場する洛東UNDERGROUNDの記念すべき初映像作品『30周年記念DVD』... これもまた貴重な記録としてお楽しみいただければ幸いである。


               「イン・マイ・ライフ」のビデオクリップより インタビュー - “そんな曲書いたっけなー”の1シーン 「カモン・エヴリバディ」のビデオクリップより



Contents Of "30th Anniversay DVD Edition" WHAT IS ? CONTENTS IMPRESSIONS HOW DID WE MAKE ?

以下に収録された各トラックについて解説を行う。

1.オープニングタイトル
冒頭シーンは移動する車のフロントガラスに映る風景。いわゆる旧三条街道から三条通に合流するあたりから撮影が行われている。細い道に入った車が到着した場所は... 伝説の場所となった洋館の前で三度お馴染みのポーズをとるメンバー達が奥井弘作のイラストにすり替わるところが印象的。

2.♪イン・マイ・ライフ In My Life (Words and Music By A.Hashimoto)
「オープニングタイトル」と同じタイミングで撮影されたと思われるビデオクリップ。基本的には“口パク”形式であり、最初森岡が何か訴えているがいつの間にか歌と同期しているあたりがおもしろい。いずれにしてもここではRUGの原点である“万歩”周辺の風景を堪能いただきたいところである。

3.録音風景 - チューニング
「30周年記念編集盤」の録音が開始された2007年5月に撮影されている。貴重な映像であることは間違いない。

4.インタビュー - 洛東UNDERGROUNDって何だろう?
いきなり大きなテーマに関するインタビューが行われ三人三様の回答が行われる。総合すると“人生に大きな潤いを与えるもの、それがRUGである”ということか? それにしても焼酎の瓶が大写しになるなど多少酔った勢いも感じられる。

5.録音風景 - 君の愛を飛ばそう Fly Your Love (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
森岡がアコースティックギター、橋本がエレキギターを持ち録音している風景が収録されている。どうやらリハーサルテイクのようで最後に橋本が譜割りを間違うあたりご愛敬。

6.インタビュー - 30年前の曲でもっとも印象深いのはどの曲だろう?
橋本の回答は「君の愛を飛ばそう」だった。RUGとしての最初のオリジナルであり演奏回数が多いことも理由のひとつにあげている。またこの曲が書かれた当時のエピソードについても語っている。

7.インタビュー - 「君の愛を飛ばそう」を改めて演奏する、というのは?
引き続き橋本が回答。“RUGのメンバーであることの確認事項”と語っている。

8.録音風景 - イン・マイ・ライフ In My Life (Words and Music By A.Hashimoto)
一連の録音風景物は、RUGのメンバー達にはヘッドフォンを通して聞こえているはずのバッキングが収められていないので、この映像のようにいきなり森岡がアカペラで歌うシーンが再三登場する。異質な空間を覗き見している感覚だ。

9.インタビュー - 「イン・マイ・ライフ」について
橋本が回答。16歳で書いたこの曲について“大人びた部分を出したくてこのようなタイトルにした。一種の照れ隠しみたいなもの”という風に語っている。

10.♪貸した傘 Lending Umbrella (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
この映像作品のためにわざわざ“口パク”形式で収録されたみっつの作品のうちのひとつ。明らかに慌てて合わせ始めている冒頭を除けば何となくまともな演奏に見えるところがミソである。

11.録音風景 - マイ・シリー・ラヴ My Silly Love (Words By M.Morioka / Music By T.Yamaguti)
アカペラにアレンジ、というある種の暴挙にチャレンジした「マイ・シリー・ラヴ」の録音における超貴重な映像。森岡が単独で低音パートを録音している。

12.インタビュー - アレンジ、ということについて
山口がオリジナル曲の発表からアレンジに至る流れについて回答しているが、“RUGのアレンジの極意はパチもんであること”と言っている。

13.録音風景 - ジャイル・ブレイカー Jail Breaker (Words and Music By M.Morioka)
こちらもアカペラで森岡が歌う録音風景。それにしても随所に見せるカメラ目線は余裕の現れということか?

インタビュー - 作曲、ということについて 14.インタビュー - 作曲、ということについて
コーヒーを渋茶のごとく飲み干して森岡が登場、“その時感動したこと、表現したいと思ったこと、がメロディとして現れてくる”ということが作曲だと言う。

15.録音風景 - 哀愁のメロディ Lonely Melody (Music By M.Morioka)
これも貴重な映像と言える「哀愁のメロディ」ソロ・パートの録音風景。なるほどこういう風に録音されたのか、という変に説得力のある映像である。

16.インタビュー - 堅田サウンドとは??? インタビュー - 堅田サウンドとは???
橋本と山口が対話形式で回答。二人によると堅田サウンドとは、(1) 土地柄である (2) 映画の影響が大きい (3) 教会で歌っている のみっつによって成り立っているらしい。

17.♪パーティの唄 Song Of Party (Words and Music By A.Hashimoto)
スライドショー形式のビデオクリップだが、曲の方は特別ゲストの Singing Chickens が登場するあたりからの抜粋。ちょっとした息抜き的映像といったところか。

18.インタビュー - “そんな曲書いたっけなー”
自身の意外な一面について橋本自身が語る。彼は過去自分が書いた曲を忘れてしまうことがあるらしい(またそれは当時の行動についても同様らしい)...。

19.録音風景 - 長い髪の少女 Long Haired Girl (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
森岡と橋本が登場、森岡がコーラスのとり方について指示を出しそれを橋本が真剣にきいている、という文字通り貴重な映像。

20.インタビュー - 他の二人とはどういう存在なのか?
リーダーである橋本が森岡と山口の存在について回答する。橋本にとっては三人三様に違う個性を持ったものが集まっていることが大きいと力説。

21.録音風景 - アメリカの旅 American Journey (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
橋本が単独で登場し、ひたすらアコースティックギターのバッキングを録音する映像。だが演奏しているのは Star Gazer という小型ギターであり、これもまた貴重な映像と言えるだろう。

22.インタビュー - リーダー・橋本明宣とはこういう男だ!
今度は森岡と山口が橋本について語る。やるときはきちっと結果を出す点に対する信頼が大きいようだ。

23.録音風景 - もうとり戻せない Couldn't Get It Back (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
橋本がエレキギターのパートを録音している映像。三番から静かに入りソロへ流れていく部分が収録されている。妥協を許さない橋本の表情が印象的だ。

24.インタビュー - 歌う、ということについて
森岡の回答によると“歌うことが好き”であり“曲のハートを表現することを大切にしたい”と言う。

25.インタビュー - 歌詞を書く、ということについて
山口自身によって一般的な手法の全く逆の山口流歌詞の書き方が語られる。

26.インタビュー - ギターを弾く、ということについて
回答を担当する橋本によると“ギターは音痴でも弾ける”と言うが、その弾き方に対するこだわりの大きさが感じられる好インタビューとなっている。

♪もうとり戻せない 27.♪もうとり戻せない Couldn't Get It Back (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
イメージ映像を使用したビデオクリップ。だがこれは2008年春に敢行された“桜の会”(実体は野外鉄板焼きパーティ)の模様を編集しただけである。それでも舞い散る桜の花びらの映像などは素晴らしく、RUGの音楽が育まれた場所を体感することができる映像だ。

28.インタビュー - ライター、後藤雄二氏、我が母校とRUGを語る
ライターとして活躍する後藤雄二が登場、彼らの母校・洛東高校の前で橋本からインタビューを受ける。昔話から始まり様々なエピソードが語られる貴重な映像である。

29.♪レイン Rain (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
こちらもイメージ映像を使用したビデオクリップ。しかしながら別のシーンでインタビューに答えていた後藤雄二が登場したり、どういう訳か雪の映像が盛り込まれたり、といかにも間に合わせで作成された印象はぬぐえない。

30.インタビュー - セルフカバーの総括を...
橋本によると、当時のオリジナルと今回のリメイク版にはほとんど違和感がなかったと言う。また橋本は一連のセルフカバーによって“RUGのメンバーとして再認識が出来た”と語っている。

31.♪カモン・エヴリバディ C'mon Everybody (Words and Music By A.Hashimoto)
この映像作品のためにわざわざ“口パク”形式で収録されたみっつの作品のうちのひとつだが、こちらはワイルドな曲の雰囲気が伝わってくる良い仕上がりとなっている。森岡の豊かな表情がおもしろい。

32.インタビュー - ベーシスト、上南雅博氏、RUGへの参加について語る インタビュー -  ベーシスト、上南雅博氏、RUGへの参加について語る
どういう状況なのかよく分からないがビアホールらしきところでRUGのセッションにはかかせないベーシスト・上南雅博が登場、今後ともRUGへの参加を宣言する...。

33.録音風景 - 拝啓NHK殿 NHK (Words and Music By T.Yamaguti)
橋本と森岡がエレキギターを同時録音している映像。そもそも森岡がエレキギターを弾いていること自体が珍しく貴重な映像と言える。それにしてもバッキングだけ聴いていてもその凄まじさが伝わってくる曲である。

34.インタビュー - この期に及んで「NHK」を演奏する意義とは?
橋本と森岡が対話形式で回答。30年経ってもその反骨精神は変わらず、そしてそれはRUGの潜在意識のようなものだ、と語っている。

♪74歳になっても 35.♪74歳になっても When We Are 74
            (Words By T.Yamaguti and H.Okui / Music By A.Hashimoto and M.Morioka)
スライドショー形式のビデオクリップ。“Radical Bakery Tour”と銘打って2006年秋に敢行された東京ツアーで撮影された画像を使用していると思われる。

36.インタビュー - 「74歳になっても」についてこってりと...
橋本が回答。今回の30周年を記念して書かれた「74歳になっても」について分析的にいろいろ語ってくれる。橋本によると基本的には年齢を経たことが大きいようである。

37.インタビュー - デザイナー、奥井弘氏「RUGと自分」について語る…
初期から現在に至るまでRUGとかかわりを持ってきたデザイナー・奥井弘が登場。メンバーというより一ファンとしての視点で奥深い話をきかせてくれる。

38.録音風景 - 静かなやつを歌わせないで Don't Let Me Sing A Slow Song (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
橋本がアコースティックギターでボトルネックを聴かせる貴重な映像。ここでも橋本が見せる真剣な表情が印象的である。

39.対談 - 30年前と今とはどう違うんだろうか?
三人が全員揃って登場、当時は“演奏技術はともかくとして迷いはなかった”等いくつかの点について明らかにしていく。

40.♪歩き続けた道 Still Away (Words and Music By A.Hashimoto, M.Morioka and T.Yamaguti) ♪歩き続けた道
この映像作品のためにわざわざ“口パク”形式で収録されたみっつの作品の最後のひとつ。多彩な楽器が使用されるためメンバー達は大忙しなのが見ていておもしろい。

41.RUGにとっての30年を総括する...
RUGを代表して橋本が単独でインタビューを締める。“テクニックがついたとかではなく、経験を積んで人間味が増してきたといった点でRUGは成長している”といった渋い回答がきかれる。

42.♪静かなやつを歌わせないで Don't Let Me Sing A Slow Song (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
イメージ映像を使用したビデオクリップ。映像そのものは2008年GWあたりで開催されたらしい“浜大津豆乳鍋の会”の模様を編集したものである。上南雅博、後藤雄二という2大ゲストを迎え張り切るメンバー達の様子が何とも微笑ましい。また冒頭には森岡が現在住まう浜大津港の風景や、森岡が通う歯医者の映像?も挿入される。

43.エンドタイトル
突然画面は洋館の前でポーズをとるメンバー達の姿に。だが彼らは魔法が解けたように動き出し談笑しながら画面から消えていく。CDではシークレットトラックとして収録されていたオルゴール・バージョンの「イン・マイ・ライフ」でタイトルを流しながらこの映像作品も幕を閉じる...。

--.Extra Tracks
いわゆるボーナス・トラック。しかしファンにとっては垂涎の映像が8編収録されている。

(1) スカイ・ブルー(発表デモ) Sky Blue (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
(2) 心の風景(発表デモ) Landscape (Words and Music By A.Hashimoto)
(3) 夢のつづき(発表デモ) We Dreamed To Be ... (Words and Music By A.Hashimoto)
(4) ギヴ・ア・リトル・ビット(アコ・ライブ2004) Give A Little Bit (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
(5) 走れ!ワーカーズ(アコ・ライブ2004) Workers On The Run (Words By T.Yamaguti and A.Hashimoto / Music By A.Hashimoto)
(6) 誰かが万歩と呼んだ場所(アコ・ライブ2004) The Place Someone Called 'Million Feet' (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)
(7) (発表デモ) Stone (Words By T.Yamaguti / Music By M.Morioka)
(8) クリスマスのワーカーズ(発表デモ) Workers Into Xmas (Words By T.Yamaguti / Music By A.Hashimoto)

特に「スカイ・ブルー」他の作品集「ワーカーズ」収録曲の発表デモは、現在彼らが順調に活動していることを考えると非常に貴重な映像と言わざるをえない。またなごやかな雰囲気で演奏されるアコースティック・ライブの映像も要チェックである。

Impressions of DVD WHAT IS ? CONTENTS IMPRESSIONS HOW DID WE MAKE ?

ここでは多少(かなり?)手前味噌な、しかし正直な関係者達の感想をご紹介する。

■ H.Okui (奥井 弘 Designer)
なかなかよくまとまっているね。構成もよく、見応えがありました。
僕の部分はちょっと長過ぎたね。申し訳ない。
しかし、30年の重みを感じるね。メンバーそれぞれの人柄がでていてRUGの30周年の記念として良いDVDだと思います。みんなは音楽同様に映画にも精通してるからなのか、全体の構成力に才能を感じます。音楽のアレンジやアルバムの構成と、映像の構成には似ているところがあるのかと思います。
なんにしても非常にめでたいDVDに乾杯!

■ Y.Goto (後藤雄二 Writer)
早速拝見いたしました。見事な作品ですね。
音響も映像も素晴らしいです。また、とてもハイセンスだと思いました。プロの仕事ですね。僕などDVDを撮っても、そのまま作成する術しかありません。見応えのある作品でした。皆さんはご自分の映像を恥ずかしいとのことでしたが、とてもよく映っておられますよ。僕のほうが変でした。自分の映像は嫌なものなのかもしれませんね。でも、5月の思い出が残り、よい記念になります。しかし、あのように、RUGの曲を、映像とともに聴きますと、名曲がたくさんあることが強く伝わりますね。素敵なプロモーション・ビデオにもなっていました。森岡君がおどけているのが面白かったです。橋本君の語りは、真面目で深いものがありました。橋本君がリーダーであることが納得できました。山口君は裏方からメインボーカルまで大活躍ですね。また、僕たちを受け入れてくださるRUGの精神は、皆さんのお人柄、行動力からすべて発しているようにも感じました。有り難いことと思いました。また時々、楽しみに拝見させていただきます。

■ A.Hashimoto (橋本明宣 Leader Of 洛東UNDERGROUND)
「30周年記念DVD」ですが、いやはや何とも素晴らしいというか、感動いたしました。これはプロ級の出来ですなー。どうやったらあんなんが出来上がるのか私にはさっぱり検討が付きません。しかしじっくり観ると自分達のやってきたことがこうやって映像の記録に残るっちゅう事の意味や何と言っても続けてきてよかった、と言う思いがしみじみと心に感じますよ。インタヴューもさることながら、楽曲をバックに映る映像の趣が何とも素晴らしく心に響きました。しかし昔の私の新曲発表の様子までもが残ってしまっているのはびっくり以上に情けなく思いました。後プロモーションばりの生演奏もなかなかのものですね。じんわり記憶が蘇ってきました。このDVDのあまりの出来の良さに私としては今後も何らかの記録を常々残していく方向がいいんじゃないかと思いました。

■ M.Morioka (森岡真理 Punks Of 洛東UNDERGROUND)
全部見ました。素晴らしいDVDだ!
よくもここまで編集して下さいました。最後の新曲発表も貴重な映像兼音源でした。ありがとー! おやすみー!

How Did We Make This DVD ? WHAT IS ? CONTENTS IMPRESSIONS HOW DID WE MAKE ?

最後にこのDVD制作にまつわる技術的側面について簡単に触れる。

◆ 映像ソース
ここで使用した動画はほとんどがたまたま家にあったSONYのデジタル・ビデオ・カメラで撮影したものである。ただし近年のカメラは記録用にハードディスクが内蔵されていたり、直接ミニDVDに焼けたりするものもあるが、このカメラは旧式のためごくごくふつうにDV(デジタルビデオテープ)に書き込み保存するタイプ。

ただし奥井弘氏が登場する動画は氏が保持するデジタルカメラにて撮影されたとのこと(メーカーなどは不明)。

またスライドショー形式のビデオクリップに使った静止画像は全てOlympusのデジタルカメラにて撮影したものを使用している。

◆ PC連携
旧式のビデオ・カメラからPCにどうやって動画を取り込むのか? たまたま以前使っていたノートPCがSONY製でビデオ・カメラと接続するケーブル(DV端子対応)と専用ソフトが付いていたのである。だが速度が遅くちょっとした動画の取り込みにもやたら時間がかかる...。調査の結果、現在のPCがサポートしているiEEE端子とDV端子を変換できるケーブルが販売されていることが判明! おっかなびっくりそれを購入したらいとも簡単にPC連携が出来るようになった。

その場合ソフトは? それはWindows標準搭載の「ムービーメーカー」を使えばよい。しかもそれまで知らなかったのだが、このソフトを使えば動画にフェイドイン/アウトの効果を加えたり、複数の動画をまとめたり、それらのつなぎ目に特殊な効果をかけたり出来るのだ(今まで知らなかったのでわざわざ後述オーサリング・ソフトのスライドショー機能でそれに類した処理を生成していた...)。何事も研究だなあ、という感じである。

◆ オーサリング・ソフト
たんに撮影した映像をDVDに焼き付けるだけなら話は簡単である(前述「ムービーメーカー」で出来てしまう)。しかしそれなりの編集(字幕を入れるとか、ちゃんとしたメニュー画面を構成するとか)をしたければオーサリング・ソフトというものを用意しなければならない。いろいろ調査した結果“TMPGEnc DVD Author 3 with DivX Authoring”というソフトを入手して今回の制作に使用した。近年のビデオ・カメラを買えばPC連携は当たり前の話なので何らかのオーサリング・ソフトが付いてくるらしい。だがうるさい人達に言わせるとそんなものはほとんど役に立たないらしい。そういう人達がネット通販のコメント欄に比較的好意的なことを書いていたのがこのソフトである。特色としては動画編集機能(元のファイルを維持しつつ不要なところをカットしたりする)、高圧縮機能(DVDのサイズに収めるため画像を極力画質などを維持しながら圧縮する)、スライドショー作成機能(静止画を組み合わせてぱらぱら漫画みたいに編集できる)などがあげられる。

◆ まとめ
ということで以上のことをかなり大雑把にまとめてみる...。

(1) ビデオ・カメラで演奏やインタビューのシーン、はたまたイメージ風景を撮影する
(2) PCにて「ムービーメーカー」を起動、iEEE−DV変換ケーブルを介してカメラからPCに映像を取り込む
(3) 取り込んだ映像は、余分なシーンをカットしたり、いくつかをつなぎ合わせたり、効果を加えたりした後保存する
(4) オーサリング・ソフト“TMPGEnc DVD Author 3 ...”を起動、新しいトラックを設定し先の映像を貼り付ける
(5) さらに字幕を入れたり、スライドショーで作成したタイトルを加えたりする
(6) 単独でまともに動くようになったらメニューを設定、DVDの一部として機能するようにする...

これを全てのトラックに対して行い最後にDVDに焼き付ける。単なる音だけの場合と違って映像は情報量も多く編集方法も無限大に広がる。DVD制作は何かにつけて時間のかかる作業であることを痛感した...。

ご拝読、ありがとう。では中身の方もお楽しみ下さい。